浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0642A01: | ニ見エヌ |
J16_0642A02: | このひじり不審なる事どもをたづね申けるにつき |
J16_0642A03: | て。上人御返答の條條。 |
J16_0642A04: | ●九卷傳ニ百餘日祠候シテ條條ノ不審ヲ尋申ト |
J16_0642A05: | 一自力他力と申事はいかやうにか心得侍へきと上人 |
J16_0642A06: | のたまはく。源空はいふかひなき邊國の土民なり。 |
J16_0642A07: | またく昇殿すべき器にあらねとも。上よりめされし |
J16_0642A08: | かは。二度まて殿上へまいりたりき。これしかしな |
J16_0642A09: | がら上の御ちからなり。この定に極重惡人。無他方 |
J16_0642A10: | 便の凡夫はかつて報身報土の極樂世界へ。まいるへ |
J16_0642A11: | き器にはあらねとも。阿彌陀佛の御ちからなれは。 |
J16_0642A12: | 稱名の本願にこたへて。來迎にあづからん事なにの |
J16_0642A13: | 不審かあるべき。わが身のつみをもく。無智の者な |
J16_0642A14: | れは。いかが往生をとげんやと疑へからす。さやう |
J16_0642A15: | にうたかはんものは。いまだ佛の願をしらざるもの |
J16_0642A16: | なり。かくのごときの罪人をすくはんための本願な |
J16_0642A17: | り。此名號を唱へながら。ゆめゆめうたがふ事ある |
J16_0642B18: | へからす。十方衆生の願の中には。有智無智。有罪 |
J16_0642B19: | 無罪。善人惡人。持戒破戒。男子女子。乃至三寳滅 |
J16_0642B20: | 盡の。後の百歳のあひだの衆生までも。もるる事な |
J16_0642B21: | し。かの三寳滅盡の時の衆生は。命のながきは十歳 |
J16_0642B22: | なり。戒定惠の三學。その名をだにもきかずといへ |
J16_0642B23: | り。これらの衆生までも念佛せは來迎に預へしと知 |
J16_0642B24: | ながら。わが身すてらるへしといふ事をは。いかが |
J16_0642B25: | 心得出すへきや。ただし極樂のねがはしからす。念 |
J16_0642B26: | 佛の申されざらんばかりは。往生のさはりとなるへ |
J16_0642B27: | し。念佛にものうき人は。無量のたからを失ふへき |
J16_0642B28: | 人なり。念佛にいさみある人は。無邊のさとりをひ |
J16_0642B29: | らくへき人なり。相搆て願往生の心にて念佛を相續 |
J16_0642B30: | すへきなり。我ちからにてはおもひよるまじき罪人 |
J16_0642B31: | の念佛するゆへに本願に乘して極樂へまいるを。 |
J16_0642B32: | 他力の願とも超世の願ともいふなり。 |
J16_0642B33: | ●内裏ヘ參ルヲ參内ト云院ヘ參ルヲ院參ト云御殿 |
J16_0642B34: | ノ縁マデ昇ヲ外ノ昇殿ヲユルト云御殿ノ内マデ參 |