浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0618A01: | 或曰張文叢林曰無住方本名後漢書或云飛 |
J16_0618A02: | 書或云飛條是也又匿名上天子云飛章 |
J16_0618A03: | 表文體也竇皇后記云乃作飛書以陷竦注飛書 |
J16_0618A04: | 若今匿名書也又官者傳造作飛條注云飛條飛書也 |
J16_0618A05: | 又匿名書亦落書也後漢ノ梁松傳ニ松怨望乃懸飛 |
J16_0618A06: | 書誹謗下獄死ト本朝文粹十二ニ櫻島忠信落書アリ |
J16_0618A07: | 五言長篇ノ詩ナリ |
J16_0618A08: | 醍醐の乘願房宗源號竹谷は。上人につかへ。法義をう |
J16_0618A09: | くること多年。しかるにふかく隱遁をこのみ。道念 |
J16_0618A10: | をかくして醫師のよしをなのり。また音律のことな |
J16_0618A11: | とをそ。人にはかたられける然れともその德かくれ |
J16_0618A12: | なくして。ある貴女御歸依ふかかりけるか。ある時 |
J16_0618A13: | 沈の念珠を拜領せられたりけるを自愛して。この念 |
J16_0618A14: | 珠にて。晝夜に念佛せられけるに。いまたこの人の |
J16_0618A15: | 事をもしらざりける修行者一人。雲居寺に通夜した |
J16_0618A16: | りけるか。うちまどろめるに。堂のまへに。山臥い |
J16_0618A17: | くらといふかずもしらすあつまりて。いひしろふ事 |
J16_0618B18: | をきけは。いかがして醍醐の乘願房の出離を障碍す |
J16_0618B19: | べきといふに。一人の山臥。かの沈の念珠の由來を |
J16_0618B20: | かたりて。この念珠をたよりとして。出離をさまた |
J16_0618B21: | くへしといふとおもひて。夢さめぬ。ことさまあや |
J16_0618B22: | しくおぼえて。傍なる人にたづぬるに。さる人あり |
J16_0618B23: | といひけれは。かの庵室にたづねゆきて。ゆめの虚 |
J16_0618B24: | 實をしらんかためにまづそこなる人に。かの念珠の |
J16_0618B25: | 由來をたづぬるに。たがはさりけれは。修行者奇特 |
J16_0618B26: | の思をなして。見參にいるへきよしを案内するに。 |
J16_0618B27: | いれて對面ありけり。修行者とかくの事もいはず。 |
J16_0618B28: | はしりよりて。もちたまへる念珠をうばひとりて。 |
J16_0618B29: | 火中になげいれにけり。乘願房おどろきて。ことの |
J16_0618B30: | 心をたづねらるるに。修行者夢の次第をくはしくか |
J16_0618B31: | たりて。かしこまり申けれは。いみじくよろこばれ |
J16_0618B32: | けり。まことしく生死をいでぬへき人をは魔界きを |
J16_0618B33: | ひて障碍の方便をなすこと。おそるへき事にそ侍め |
J16_0618B34: | る。 |