浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0611A01: | モトナク思ボシケルナリ●アレハイカニトハヤヤ |
J16_0611A02: | アノ御房ハ西仙ナラズヤ何トテ見來レルトナリ● |
J16_0611A03: | シタシキ境界トハ法友親族ノムツマシキナリ●夜 |
J16_0611A04: | アケテ明相現ズルヨリ日中以前ヲ僧ノ食時トス此 |
J16_0611A05: | 後食セヌヲ齋食ト云齋ヲトキト訓ズルハ正時ニ食 |
J16_0611A06: | スレバナリ午ヲ過テ食スルハ如法ナラヌヲ非時ト |
J16_0611A07: | 云ナリ●ナニトナキソソロ事ヲトハエモシレヌ不 |
J16_0611A08: | 覺ノ戯言ヲトナリ柏木ニススロコトヲサヘイハ |
J16_0611A09: | セマホシウシ給フ紅葉賀ニソソロハシキマテナン |
J16_0611A10: | 萬水一露ニソソロハ不慮ノ字ナリ孟津抄ニ心ナラ |
J16_0611A11: | ヌナリトイヘリ●白氏文集ニ十一云行藏事兩失 |
J16_0611A12: | 憂惱心交鬭トネンシハ念ノ字コラヘ忍フナリ今言 |
J16_0611A13: | 心ハ妄念起リテサビシク故郷コヒシキヲサ思ハジ |
J16_0611A14: | ト心ヲ立テ堪忍スルホドニ本意ノ念佛心ニ返違ス |
J16_0611A15: | ルトナリ●俗ヲ離ルルコト一倶盧ナドアテ在家ヲ |
J16_0611A16: | 去コト牛ノ聲ノ聞エヌ程ニ僧居ヲシツラヒタルヲ |
J16_0611A17: | 阿蘭若ト云ナリ要覽等身ハソコニ住ナガラ心ハ故郷 |
J16_0611B18: | ヲ慕ヒケレバ名バカリ阿蘭若トハキコユレド其實 |
J16_0611B19: | ナキヲ假名ト云ナリ法華勸持品云常念世俗事假 |
J16_0611B20: | 名阿蘭若略書十住毘婆沙十六云愚癡懈怠在阿蘭若 |
J16_0611B21: | 處住者或値女人墮在非法云云 |
J16_0611B22: | さて姉小路。白川秡殿の辻子といふ所に。妹の尼公 |
J16_0611B23: | の侍ける。いほりのうしろに。ひさしをさして。身 |
J16_0611B24: | ひとつおさむるほどに。わらをもちてゆひまはし |
J16_0611B25: | て。そのうちにこもりゐて。かみの衣を着し。食時 |
J16_0611B26: | 便利のほかは一向に念佛す。小土器六をならべて。 |
J16_0611B27: | 香をもり火をけさず。とりうつしとりうつしして。念 |
J16_0611B28: | 佛しけり。人にも對面せず。生涯は別時なりけり。 |
J16_0611B29: | つゐに元久元年の冬。臨終正念にして端座合掌し高 |
J16_0611B30: | 聲念佛すること數遍。念佛のこゑにていきたえぬ。 |
J16_0611B31: | そのあたり五六町のうち。異香芬馥す。室の内。三年 |
J16_0611B32: | までかうばしかりけるとなん。東山延年寺のうへの |
J16_0611B33: | 山に葬す。着するところの紙の衣。異香はなはたし。 |
J16_0611B34: | たづねいたる人。面面にわかちとりにけり。終焉のと |