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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0611A01: モトナク思ボシケルナリ●アレハイカニトハヤヤ
J16_0611A02: アノ御房ハ西仙ナラズヤ何トテ見來レルトナリ●
J16_0611A03: シタシキ境界トハ法友親族ノムツマシキナリ●夜
J16_0611A04: アケテ明相現ズルヨリ日中以前ヲ僧ノ食時トス此
J16_0611A05: 後食セヌヲ齋食ト云齋ヲトキト訓ズルハ正時ニ食
J16_0611A06: スレバナリ午ヲ過テ食スルハ如法ナラヌヲ非時ト
J16_0611A07: 云ナリ●ナニトナキソソロ事ヲトハエモシレヌ不
J16_0611A08: 覺ノ戯言ヲトナリ柏木ニススロコトヲサヘイハ
J16_0611A09: セマホシウシ給フ紅葉賀ニソソロハシキマテナン
J16_0611A10: 萬水一露ニソソロハ不慮ノ字ナリ孟津抄ニ心ナラ
J16_0611A11: ヌナリトイヘリ●白氏文集ニ十一云行藏事兩失
J16_0611A12: 憂惱心交鬭トネンシハ念ノ字コラヘ忍フナリ今言
J16_0611A13: 心ハ妄念起リテサビシク故郷コヒシキヲサ思ハジ
J16_0611A14: ト心ヲ立テ堪忍スルホドニ本意ノ念佛心ニ返違ス
J16_0611A15: ルトナリ●俗ヲ離ルルコト一倶盧ナドアテ在家ヲ
J16_0611A16: 去コト牛ノ聲ノ聞エヌ程ニ僧居ヲシツラヒタルヲ
J16_0611A17: 阿蘭若ト云ナリ要覽等身ハソコニ住ナガラ心ハ故郷
J16_0611B18: ヲ慕ヒケレバ名バカリ阿蘭若トハキコユレド其實
J16_0611B19: ナキヲ假名ト云ナリ法華勸持品云常念世俗事假
J16_0611B20: 名阿蘭若略書十住毘婆沙十六云愚癡懈怠在阿蘭若
J16_0611B21: 處住者或値女人墮在非法云云
J16_0611B22: さて姉小路。白川秡殿の辻子といふ所に。妹の尼公
J16_0611B23: の侍ける。いほりのうしろに。ひさしをさして。身
J16_0611B24: ひとつおさむるほどに。わらをもちてゆひまはし
J16_0611B25: て。そのうちにこもりゐて。かみの衣を着し。食時
J16_0611B26: 便利のほかは一向に念佛す。小土器六をならべて。
J16_0611B27: 香をもり火をけさず。とりうつしとりうつしして。念
J16_0611B28: 佛しけり。人にも對面せず。生涯は別時なりけり。
J16_0611B29: つゐに元久元年の冬。臨終正念にして端座合掌し高
J16_0611B30: 聲念佛すること數遍。念佛のこゑにていきたえぬ。
J16_0611B31: そのあたり五六町のうち。異香芬馥す。室の内。三年
J16_0611B32: までかうばしかりけるとなん。東山延年寺のうへの
J16_0611B33: 山に葬す。着するところの紙の衣。異香はなはたし。
J16_0611B34: たづねいたる人。面面にわかちとりにけり。終焉のと

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