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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0582A01: 僧正を師として小野の流をうけ。のちには仁和寺の
J16_0582A02: 上乘院の法印仁隆にあひて廣澤の流をつたへて。事
J16_0582A03: 相敎相抜群のほまれありき。淨土門にいれる濫觴を。
J16_0582A04: みづからかたり申されけるは。世こぞりて選擇集に
J16_0582A05: 歸し。念佛門にいるものおほくきこゑし程に。嫉妬
J16_0582A06: の心をおこして。選擇集を破し。念佛往生の道をふ
J16_0582A07: さがんと思ひて。破文かくへき料紙まてととのへて。
J16_0582A08: 選擇集をひらき見るところに。日ごろの所按おほき
J16_0582A09: に相違す。末代惡世の凡夫の出離生死のみちは。ひ
J16_0582A10: とへに稱名の行にありけりと見さだめにしかは。か
J16_0582A11: へりてこの書を賞翫して。自行の指南にそなふるよ
J16_0582A12: しをぞ申されける。日來嫉妬の心を生し給ける事を
J16_0582A13: くひかなしみて。大谷の墳墓にまふでて。なくなく
J16_0582A14: 悔謝していはく。今日よりは上人を師とし。念佛
J16_0582A15: を行とすへし。聖靈照覽をたれて。先非をゆるし給
J16_0582A16: へとぞ。くどき申されける。其後綱班を辭し。みづ
J16_0582A17: から心圓房と號して。一向念佛せられき。あまさへ
J16_0582B18: 續選擇をつくりて。上人の義道を助成し。一偈をむ
J16_0582B19: すんていはく。一期所按極永捨世道理。唯稱阿彌
J16_0582B20: 陀。語嘿常持念と。又法照禪師の五會法事讃の。彼
J16_0582B21: 佛因中立弘誓。聞名念我惣來迎といへる。七言八句の
J16_0582B22: 文を誦して。淨土宗の肝心。この文なりとそ。つね
J16_0582B23: には申されける。つゐに貞應三年四月廿日。本意の
J16_0582B24: ことく往生をとげられにけり。
J16_0582B25: ●僧都靜遍ハ號後禪林寺自名心圓房●池大納言賴盛卿ハ正四位上刑部卿忠盛ノ五男母ハ池禪尼入道修理權太夫宗兼ノ女也壽永二年四月五日權大納言トナル●勝憲僧正ハ少納言通憲ノ十二男也東大寺別當號東南院大系圖百練抄帝王編年記ニハ作勝賢釋書神皇正統錄今傳文ニハ皆勝憲トアリ●上乘院ハ大御室ノ御乳母左近衛少將源定季ノ母禪尼ノ建立則大御室性信供養定覺阿闍梨院主職ニ補セラル●法印仁隆ハ皇后宮權亮藤成隆息北院御室附法正治二年正月十二日法印ニ叙ス●續選擇一卷僧都作之選擇集ヲ助成ス
J16_0582B26: ●小野ハ仁海廣澤ハ寬朝ヲ祖トシテ密宗ノ兩派ナ
J16_0582B27: リ釋書云醍醐之側小野之地海啓密講之席世號

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