浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0537A01: | シテ今ノ文ヲ書給ヒケル歸洛ノ時當寺ニノコシヲ |
J16_0537A02: | キ給ヒケレバ所人置文ノ御影トゾ申ケル其後泉州 |
J16_0537A03: | 境ノ長泉寺ノ開山十萬上人夢ノ告アリテ感得シ |
J16_0537A04: | テ長泉寺住持ノ説今現ニ彼寺ニマシマスト云●凡三世ノ應 |
J16_0537A05: | 現密因ヲ泄サズ楞嚴本地ヲバフカク隱密スル事ナレ |
J16_0537A06: | ド時ニ臨テ利益アルニハ顯現スルモ亦善巧ナリサ |
J16_0537A07: | レバ自ラ其體ヲ現ハシナノリ申サレケン散善義ニ |
J16_0537A08: | 上來所有靈相者本心爲物不爲己身既蒙此相 |
J16_0537A09: | 不敢隱藏トアルモ此類ナリ |
J16_0537A10: | 上人左遷ののち。月輪の禪閤。朝暮の御歎あさから |
J16_0537A11: | す。日來の御不食いよいよおもらせ給て大漸の期 |
J16_0537A12: | ちかづかせ給ふ。藤中納言光親卿をめして仰をかれ |
J16_0537A13: | けるは。法然上人年來歸依のいたり。さだめて存知 |
J16_0537A14: | あるらん。今度の勅勘を申ゆるさずして。謫所へう |
J16_0537A15: | つられぬる事。いきて世にある甲斐なきに似たり。 |
J16_0537A16: | しかれとも嚴旨ゆるからす。左右なく申さんことを |
J16_0537A17: | それおぼゆるゆへに。後日を期してすぐるところ |
J16_0537B18: | に。すでに終焉にのぞめり。今生のうらみこの事に |
J16_0537B19: | あり。我他界におもむくといふとも。連連に御氣色 |
J16_0537B20: | をうかがひて。恩免を申をこなはるべしと。かきく |
J16_0537B21: | どき仰られければ光親卿。仰のむね更に如在を存ず |
J16_0537B22: | へからざるよし申て。涙をながされけり。同四月五 |
J16_0537B23: | 日。御臨終正念にして。念佛數十遍。禪定にいるが |
J16_0537B24: | ごとくして。往生をとげさせ給ぬ。御とし五十八 |
J16_0537B25: | なり。 |
J16_0537B26: | ●光親卿ハ權中納言光雅卿ノ二男母ハ入道右大辨重方朝臣ノ女也承元五年正月十八日權中納言ニ任ズ葉室ノ庶流堀川ト號ス承久三年七月十一日出家法名西觀 |
J16_0537B27: | ●左遷ハ第三十三卷ニ見ユ●書經ノ顧命ニ嗚呼疾 |
J16_0537B28: | 大漸惟幾病日臻既彌留易序卦傳ニ受之以 |
J16_0537B29: | 漸漸進也進必有所歸得其所歸者必大文選 |
J16_0537B30: | 注禇淵碑ノ文ニ大漸謂疾漸重將死也●光親卿ハ是後鳥 |
J16_0537B31: | 羽院ノ寵臣ナリ●嚴旨ハキトシタル叡慮ナリ●他 |
J16_0537B32: | 界ハ第三十卷ニ注シヌ●カキクトクトハ打口説 |