浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0513A01: | 願をうたがふべきや。四十八願の彌陀善逝は。正覺 |
J16_0513A02: | を十劫にとなへ給へり。六方恒沙の諸佛如來は。舌 |
J16_0513A03: | 相を三千世界にのへ給へり。たれかこれを信ぜざる |
J16_0513A04: | べきや。善導この信を釋しての給はく。化佛報佛。 |
J16_0513A05: | 若一若多。乃至十方に徧して。ひかりをかかやか |
J16_0513A06: | し。したをはきてあまねく十方におほひて。この事 |
J16_0513A07: | 虚妄なりとの給はんにも。畢竟して一念疑退の心を |
J16_0513A08: | おこさじとの給へり。しかるをいま行者たち。異學 |
J16_0513A09: | 異見のためにたやすくこれをやぶらる。いかに况や |
J16_0513A10: | 報佛化佛のの給はんをや。そもそもこの行をすて |
J16_0513A11: | は。いづれのをこなひにかおもむき給へき。智惠な |
J16_0513A12: | けれは。聖敎をひらくにまなこくらし。財寳なけれ |
J16_0513A13: | は。布施を行ずるに力なし。むかし波羅奈國に太子 |
J16_0513A14: | ありき。大施太子と申き。貧人をあはれみて。くら |
J16_0513A15: | をひらきて。もろもろのたからを出してあたへ給 |
J16_0513A16: | に。たからはつくれとも。まづしき者はつくべから |
J16_0513A17: | す。ここに太子。うみのなかに如意寳珠ありとき |
J16_0513B18: | く。海にゆきてもとめて。まづしき身に寳をあたへ |
J16_0513B19: | んとちかひて。龍宮に行き給に。龍王おとろきあや |
J16_0513B20: | しみて。おぼろけの人にはあらすといひて。みづか |
J16_0513B21: | らむかひて。たからのゆかにすへたてまつり。はる |
J16_0513B22: | かにきたり給へる心ざし。何事をもとめ給そととへ |
J16_0513B23: | は。太子の給はく。閻浮提の人。まづしくてくるし |
J16_0513B24: | む事おほし。王のもとどりの中の。寳珠をこはんが |
J16_0513B25: | ためにきたる也との給へは。王のいはく。しからば |
J16_0513B26: | 七日ここにとどまりて。わが供養をうけ給へ。其後 |
J16_0513B27: | たからをたてまつらんといふ。太子七日をへてたま |
J16_0513B28: | をえ給ぬ。龍神そこよりをくりたてまつる。すなは |
J16_0513B29: | ち本國のきしにいたりぬ。ここにもろもろの龍神な |
J16_0513B30: | げきていはく。このたまは海中のたから也。なをと |
J16_0513B31: | り返してぞ。よかるべきとさたむ。海神人になり |
J16_0513B32: | て。太子の御まへにきたりていはく。君世にまれ成 |
J16_0513B33: | 玉をえ給へり。とくわれに見せ給へといふ。太子こ |
J16_0513B34: | れをみせ給に。うばひとりてうみへいりぬ。太子な |