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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0513A01: 願をうたがふべきや。四十八願の彌陀善逝は。正覺
J16_0513A02: を十劫にとなへ給へり。六方恒沙の諸佛如來は。舌
J16_0513A03: 相を三千世界にのへ給へり。たれかこれを信ぜざる
J16_0513A04: べきや。善導この信を釋しての給はく。化佛報佛。
J16_0513A05: 若一若多。乃至十方に徧して。ひかりをかかやか
J16_0513A06: し。したをはきてあまねく十方におほひて。この事
J16_0513A07: 虚妄なりとの給はんにも。畢竟して一念疑退の心を
J16_0513A08: おこさじとの給へり。しかるをいま行者たち。異學
J16_0513A09: 異見のためにたやすくこれをやぶらる。いかに况や
J16_0513A10: 報佛化佛のの給はんをや。そもそもこの行をすて
J16_0513A11: は。いづれのをこなひにかおもむき給へき。智惠な
J16_0513A12: けれは。聖敎をひらくにまなこくらし。財寳なけれ
J16_0513A13: は。布施を行ずるに力なし。むかし波羅奈國に太子
J16_0513A14: ありき。大施太子と申き。貧人をあはれみて。くら
J16_0513A15: をひらきて。もろもろのたからを出してあたへ給
J16_0513A16: に。たからはつくれとも。まづしき者はつくべから
J16_0513A17: す。ここに太子。うみのなかに如意寳珠ありとき
J16_0513B18: く。海にゆきてもとめて。まづしき身に寳をあたへ
J16_0513B19: んとちかひて。龍宮に行き給に。龍王おとろきあや
J16_0513B20: しみて。おぼろけの人にはあらすといひて。みづか
J16_0513B21: らむかひて。たからのゆかにすへたてまつり。はる
J16_0513B22: かにきたり給へる心ざし。何事をもとめ給そととへ
J16_0513B23: は。太子の給はく。閻浮提の人。まづしくてくるし
J16_0513B24: む事おほし。王のもとどりの中の。寳珠をこはんが
J16_0513B25: ためにきたる也との給へは。王のいはく。しからば
J16_0513B26: 七日ここにとどまりて。わが供養をうけ給へ。其後
J16_0513B27: たからをたてまつらんといふ。太子七日をへてたま
J16_0513B28: をえ給ぬ。龍神そこよりをくりたてまつる。すなは
J16_0513B29: ち本國のきしにいたりぬ。ここにもろもろの龍神な
J16_0513B30: げきていはく。このたまは海中のたから也。なをと
J16_0513B31: り返してぞ。よかるべきとさたむ。海神人になり
J16_0513B32: て。太子の御まへにきたりていはく。君世にまれ成
J16_0513B33: 玉をえ給へり。とくわれに見せ給へといふ。太子こ
J16_0513B34: れをみせ給に。うばひとりてうみへいりぬ。太子な

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