浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0496A01: | まあひがたくしてあふ事を得たり。いたづらにあか |
J16_0496A02: | しくらしてやみなんこそかなしけれ。或は金谷の花 |
J16_0496A03: | をもてあそびて。遲遲たる春の日をむなしくくら |
J16_0496A04: | し。或は南樓に月をあざけりて漫漫たる秋の夜をい |
J16_0496A05: | たづらにあかす。或は千里の雲にはせて。山のかせ |
J16_0496A06: | きをとりて歳ををくり。或は萬里のなみにうかひ |
J16_0496A07: | て。うみのいろくづをとりて日をかさね。或は嚴寒 |
J16_0496A08: | にこほりをしのぎ世路をわたり。或は炎天にあせ |
J16_0496A09: | をのごひて利養をもとめ。或は妻子眷屬に纒はれて |
J16_0496A10: | 恩愛のきづなきりかたし。或は執敵怨類にあひて瞋 |
J16_0496A11: | 恚のほむらやむ事なし。惣じてかくのごとくして晝 |
J16_0496A12: | 夜朝暮行住坐臥。時としてやむ事なし。ただほしき |
J16_0496A13: | ままにあくまて三途八難の業をかさぬ。しかればあ |
J16_0496A14: | る文には。一人一日中八億四千念。念念中所作皆是 |
J16_0496A15: | 三途業といへり。かくのことくして昨日もいたづら |
J16_0496A16: | にくれぬ。今日も又むなしくあけぬ。いまいくたび |
J16_0496A17: | かくらし。いくたひかあかさんとする。それあした |
J16_0496B18: | にひらくる榮花はゆふべの風にちりやすく。ゆうべ |
J16_0496B19: | にむすふ命露はあしたの日にきえやすし。これをし |
J16_0496B20: | らずしてつねにさかえん事をおもひ。これをさとら |
J16_0496B21: | すして久しくあらん事をおもふ。 |
J16_0496B22: | ●日本紀ニ御宇ノ字ヲアメノシタシロシメストヨ |
J16_0496B23: | マセタリ●十三年ミツノエサルノトシ等トハ水鏡 |
J16_0496B24: | ニ天竺ヨリモロコシニ佛法ツタハリテ三百年ト申 |
J16_0496B25: | ニ百濟國ニツタハリテ百年アリテソコノ國ヘワタ |
J16_0496B26: | リ給ヘリシト云推古天皇三十二年勸勒奏セラルル |
J16_0496B27: | 詞同之日本紀釋書並平氏傳ニ見エタリ●法性ノ |
J16_0496B28: | 一理ヲ覺ル其智惠ハ涅槃ニ至ルノ道路ナリ菩提ト |
J16_0496B29: | ハ梵語此方ニハ道ト云即佛智ノ異名ニシテ又覺路 |
J16_0496B30: | トモイフ●朗詠集云金谷醉華之地華毎春匀而主 |
J16_0496B31: | 不歸南樓翫月之人月與秋期而身何去菅三品金谷 |
J16_0496B32: | ハ晋書ニ石崇カ家ニ金谷園アリ此園貴シテ金ヲ布 |
J16_0496B33: | テコレヲ買ト苑植梅樹蒙求ケレハ又金花苑ト云初 |
J16_0496B34: | 學記曰金水流出故曰金谷大明一統志云金谷園河 |