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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0496A01: まあひがたくしてあふ事を得たり。いたづらにあか
J16_0496A02: しくらしてやみなんこそかなしけれ。或は金谷の花
J16_0496A03: をもてあそびて。遲遲たる春の日をむなしくくら
J16_0496A04: し。或は南樓に月をあざけりて漫漫たる秋の夜をい
J16_0496A05: たづらにあかす。或は千里の雲にはせて。山のかせ
J16_0496A06: きをとりて歳ををくり。或は萬里のなみにうかひ
J16_0496A07: て。うみのいろくづをとりて日をかさね。或は嚴寒
J16_0496A08: にこほりをしのぎ世路をわたり。或は炎天にあせ
J16_0496A09: をのごひて利養をもとめ。或は妻子眷屬に纒はれて
J16_0496A10: 恩愛のきづなきりかたし。或は執敵怨類にあひて瞋
J16_0496A11: 恚のほむらやむ事なし。惣じてかくのごとくして晝
J16_0496A12: 夜朝暮行住坐臥。時としてやむ事なし。ただほしき
J16_0496A13: ままにあくまて三途八難の業をかさぬ。しかればあ
J16_0496A14: る文には。一人一日中八億四千念。念念中所作皆是
J16_0496A15: 三途業といへり。かくのことくして昨日もいたづら
J16_0496A16: にくれぬ。今日も又むなしくあけぬ。いまいくたび
J16_0496A17: かくらし。いくたひかあかさんとする。それあした
J16_0496B18: にひらくる榮花はゆふべの風にちりやすく。ゆうべ
J16_0496B19: にむすふ命露はあしたの日にきえやすし。これをし
J16_0496B20: らずしてつねにさかえん事をおもひ。これをさとら
J16_0496B21: すして久しくあらん事をおもふ。
J16_0496B22: ●日本紀ニ御宇ノ字ヲアメノシタシロシメストヨ
J16_0496B23: マセタリ●十三年ミツノエサルノトシ等トハ水鏡
J16_0496B24: ニ天竺ヨリモロコシニ佛法ツタハリテ三百年ト申
J16_0496B25: ニ百濟國ニツタハリテ百年アリテソコノ國ヘワタ
J16_0496B26: リ給ヘリシト云推古天皇三十二年勸勒奏セラルル
J16_0496B27: 詞同之日本紀釋書並平氏傳ニ見エタリ●法性ノ
J16_0496B28: 一理ヲ覺ル其智惠ハ涅槃ニ至ルノ道路ナリ菩提ト
J16_0496B29: ハ梵語此方ニハ道ト云即佛智ノ異名ニシテ又覺路
J16_0496B30: トモイフ●朗詠集云金谷醉華之地華毎春匀而主
J16_0496B31: 不歸南樓翫月之人月與秋期而身何去菅三品金谷
J16_0496B32: ハ晋書ニ石崇カ家ニ金谷園アリ此園貴シテ金ヲ布
J16_0496B33: テコレヲ買ト苑植梅樹蒙求ケレハ又金花苑ト云初
J16_0496B34: 學記曰金水流出故曰金谷大明一統志云金谷園河

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