浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0442A01: | ば。在俗の形なから。法名をつき。戒をうけ。袈裟 |
J16_0442A02: | をたもつべきよし。上人にのぞみ申入けれはその志 |
J16_0442A03: | を哀みて。寬印供奉のかかれたる。戒本十重禁の次 |
J16_0442A04: | 第。ならびに上人抄記の。三聚淨戒のむねなどをし |
J16_0442A05: | るしくたされ。又袈裟をつかはし。尊願といふ法名 |
J16_0442A06: | をくたされにけり。此御返事を給はりて後は。偏に |
J16_0442A07: | 出家の思をなして念佛す。又其後上人所持の念珠を |
J16_0442A08: | 所望しける御返事には。これ程に思食事は。此世一 |
J16_0442A09: | の事にはあらす。先の世のふかき契りと哀に候。か |
J16_0442A10: | まへて極樂に此度まいりあはせ給へし。常に持て候 |
J16_0442A11: | ずずまいらせ候。御念佛をこたらす。せさせおはし |
J16_0442A12: | ますへしと。云云取詮 |
J16_0442A13: | ●寬印ハ楞嚴院源信僧都ノ弟子也後丹後國天橋立ニ住給ヒケレバ丹後ノ先德ト稱ス●戒本十重禁次第未撿 |
J16_0442A14: | ●寬印供奉ハ惠心ノ弟子丹後先德ト云是ナリ●十 |
J16_0442A15: | 重禁ハ梵網經ノ所制ナリ●上人抄記ノ三聚淨戒未 |
J16_0442A16: | 考或云又三聚淨戒ト云モノ十紙ハカリナルアリ |
J16_0442B17: | テ大師ノ御作ナリト云未詳眞僞●ススハ數珠 |
J16_0442B18: | ナリ木槵子經等ニ見ヘタリ |
J16_0442B19: | 又或時の御文には。此度かまへて往生しなんと思食 |
J16_0442B20: | さるへく候。受がたき人身すでに受たり。あひがた |
J16_0442B21: | き念佛往生の法門にあひたり。娑婆をいとふ心あ |
J16_0442B22: | り。極樂をねがふ心おこりたり。彌陀の本願深し。 |
J16_0442B23: | 往生は御心にあるべきなり。ゆめゆめ御念佛をこた |
J16_0442B24: | らず。决定往生のよしを存ぜさせ給べし。云云これら |
J16_0442B25: | の御文どもを。錦の袋に入て。身をはなたざりけ |
J16_0442B26: | り。しかるべき事にや。建保七年正月。右丞相實朝公薨 |
J16_0442B27: | 逝のとき。免許をかふりて出家をとげ。上人よりし |
J16_0442B28: | るしくだされける法名をつきて。尊願とそ申ける。 |
J16_0442B29: | 上人往生の後は。日に隨て極樂の戀しく。年ををひて |
J16_0442B30: | 穢土のいとはしく覺けるままには。此御文を取出し |
J16_0442B31: | 拜見しては。とく迎へさせ給へと申けれとも。空く |
J16_0442B32: | 歳月を送ける間。上人の門弟淨勝房以下の僧衆をも |
J16_0442B33: | て。仁治三年十月廿八日より。三七日の如法念佛を |