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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0418A01: はてていはく。末代に上品上生するものあるまじき
J16_0418A02: に。しかもよろつ不當なる蓮生。いかて上品上生に
J16_0418A03: は生るべきぞ。さなくは下八品には生れしと願じた
J16_0418A04: ればとて。阿彌陀ほとけもし迎給はすば。第一に彌
J16_0418A05: 陀の本願やぶれ給なんす。次に彌陀の慈悲かけ給な
J16_0418A06: んす。次に彌陀の願成就の文破れ給なんす。次に釋
J16_0418A07: 迦の觀無量壽經の。十惡の一念往生。五逆の十念往
J16_0418A08: 生。又阿彌陀經の。若は一日若は七日の念佛往生。
J16_0418A09: 又六方恒沙の諸佛の證誠。又善導和尚の下至十聲一
J16_0418A10: 聲等定得往生の釋。又なによりも。觀經の上品上生
J16_0418A11: の三心具足の往生。それを善導の釋に。具足三心必
J16_0418A12: 得往生也。若少一心即不得生。又專修のものは。千
J16_0418A13: は千ながらの釋。ことごとくこれら。佛の願といひ
J16_0418A14: 佛の言といひ。善導の釋といひ。若れんせいを迎へ
J16_0418A15: 給はずは。みな破れて各妄語の罪を得給ひなんす。
J16_0418A16: いかでか大聖の金言むなしかるへきや。又光明遍照
J16_0418A17: 十方世界の文。又此界一人念佛名の文。此金言ども
J16_0418B18: むなしからじ。いよいよこれらの文をもて。疑なき
J16_0418B19: なりとおもふ。一切の有縁の輩即立歸て迎へんと
J16_0418B20: て。願を發して上品上生ならずば。むかへられまい
J16_0418B21: らせじといふ。かたき願を發したるか。よくひが事
J16_0418B22: ならんちやう。五逆の者ばかりはあらじ。しかれば
J16_0418B23: いかなりとも。迎給はぬことあらじ。これを疑はぬ
J16_0418B24: 心は三心具足したり。上品上生にむまるへき决定心
J16_0418B25: を發したり。その疑煩惱斷したり。そのさとりをひ
J16_0418B26: らいたり。善導又天台。此事をみる者は上品上生に
J16_0418B27: むまる。又衆生の苦をぬく事を得。又無生忍をさと
J16_0418B28: る。又極樂に所願に隨て生るとの給へり。
J16_0418B29: 下八品の往生。われすててしかもねがはず。かの
J16_0418B30: 國土にいたりをはりて。すなはちかへり來事あた
J16_0418B31: はざればなり。かさねてこふ我願にをいて。或は
J16_0418B32: 信じ或は信ぜざらんもの。ねがはくは信と謗とを
J16_0418B33: 因として。みなまさに淨土にむまるへし。
J16_0418B34: 于時元久元年五月十三日午時に。偈の文をむすひ

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