浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J16_0403A01: | 行の多少を論ぜず。身の淨不淨をえらはす。時處諸 |
J16_0403A02: | 縁をきらはざれば。死の縁によるへからす。罪人は |
J16_0403A03: | 罪人なから。名號を唱へて往生す。これ本願の不思 |
J16_0403A04: | 議也。弓箭の家に生れたる人。たとひ軍陣にたたか |
J16_0403A05: | ひ命を失ふとも。念佛せば本願に乘し。來迎に預ら |
J16_0403A06: | ん事。ゆめゆめ疑へからすと。こまかに授け給ひけ |
J16_0403A07: | れば。不審ひらけ侍りぬ。さては忠綱が往生は。今 |
J16_0403A08: | 日一定なるべしと悅ひ申けり。上人の御袈裟給はり |
J16_0403A09: | て。よろひのしたにかけ。それよりやがて八王子の |
J16_0403A10: | 城へ向ひ。命をすてて戰けるに。太刀を打折てけれ |
J16_0403A11: | は。ふかき疵をかうふりにけり。今はかうと見へけ |
J16_0403A12: | るに。太刀をすてて合掌し。高聲念佛して。敵のた |
J16_0403A13: | めに身をまかせけり。紫雲戰塲にたれおほひて。異 |
J16_0403A14: | 香をかぐ人多かりけり。北嶺に紫雲たなひくよし人 |
J16_0403A15: | 申けれは。上人聞給て。あはれ甘糟が往生しつるよ |
J16_0403A16: | とそ仰られける。 |
J16_0403A17: | ●戰塲ノアリサマ九卷傳ニ具ニ注シテ討手十八人 |
J16_0403B18: | ノ内六人ハ紫雲異香ノ瑞ニ驚テ改悔發心シテ本坊 |
J16_0403B19: | ニ歸ラスヤカテ修行ニ出テ武藏國ニ至リ計ラサル |
J16_0403B20: | ニ甘糟カ家ニ行合テ孝養シケルト●北嶺ハ叡山ナ |
J16_0403B21: | リ地理ノ部ニ注シヌ盛衰記九ニ上人此節大谷ニ御 |
J16_0403B22: | 座セシト云時ニ摩河部ノ敬佛カクハリノ淨阿彌陀 |
J16_0403B23: | 佛二人紫雲ノ起ルヲミル又淨阿御使ヲ承ハリテ山 |
J16_0403B24: | 門ニ馳向フ |
J16_0403B25: | 甘糟國にととめをく妻室の夢に。極樂の往生を遂 |
J16_0403B26: | ぬる由を示しけれは。夢の告におどろきて。國より |
J16_0403B27: | 飛脚を立けるに。此事を告て京より下ける使に行逢 |
J16_0403B28: | て。田舍の夢の告。戰塲の往生の樣。たがひに語り |
J16_0403B29: | けり。誠に不思議の事にてぞありける。戰塲に命を |
J16_0403B30: | すてて往生の前途をとげ。父祖の名をもあげ。本願 |
J16_0403B31: | の深意をもあらはせる事。しかしなからこれ上人勸 |
J16_0403B32: | 化のゆへなりき。 |
J16_0403B33: | 畫圖 |
J16_0403B34: | 宇津宮の彌三郞賴綱。家子郞從濟濟として武藏野を |