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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0399A01: たまはるところの御消息を秘藏して。出離の指南に
J16_0399A02: なんそなへ侍ける。必しも數返をさだめず思ひ出た
J16_0399A03: るかとおぼしくては。常に西向て高聲にぞとなへけ
J16_0399A04: る。病惱の時。八月廿九日不註年に近隣なる僧蓮臺房。
J16_0399A05: 來りとふらひけれは。此所勞は日比ねがふところ也
J16_0399A06: 明後日來臨し給へ。申べき事侍りと申けり。その日
J16_0399A07: 又まかれるに。明後日辰時に。極樂にむまるべしと
J16_0399A08: 申あひだ。いかにして。さはしりたまへるぞととへ
J16_0399A09: ば。その事なり。夢に墨染の衣着したる僧。靑白二
J16_0399A10: 莖の蓮花をもちて來れりつるか。白蓮花をわれにさ
J16_0399A11: づけて。これは汝か分なり。この靑蓮花は。新田の
J16_0399A12: 太郞か分なりと。仰られつるに。白蓮花のうへに又
J16_0399A13: 聲ありて。九月三日の辰時に往生すへしと。云と見
J16_0399A14: てさめぬるなりといふ。事の樣たとく覺て。三日に
J16_0399A15: 又ゆきむかふに。病者のいはく。往生すでにちかづ
J16_0399A16: けり。よくきたりたまへり。四十九日の間は。ここ
J16_0399A17: に住して念佛したまふへし。御房はわが善知識な
J16_0399B18: り。年來秘藏のもの。附屬したてまつるへしとて。
J16_0399B19: 上人よりたまはる所の御消息。ならびに和字にしる
J16_0399B20: せる。念佛の安心の書等これをわたす。其後あひと
J16_0399B21: もに。晨朝の禮讃を行ずるに。光舒救毘沙の句にい
J16_0399B22: たりて。禮讃をとどめて。念佛三遍唱へて。端座合
J16_0399B23: 掌して。息たえにけり。四十九日の夜。蓮臺房ゆめ
J16_0399B24: にみる樣。かの禪門が。持佛堂かとおぼしき堂あ
J16_0399B25: り。前に池なんどありて。あるべかしく見ゆるに。
J16_0399B26: 指入て拜すれば。金色の阿彌陀如來。壇の上に立給
J16_0399B27: へり。堂の下には。念佛する聲ありけり。承仕など
J16_0399B28: 云ばかりなるもの指出て。此聲は閻浮提也。只今此
J16_0399B29: 池の中に。蓮花生ずへし。これをみるべしと云。聲
J16_0399B30: に應じて。白蓮花出生す。念佛の聲に隨て。蓮花忽
J16_0399B31: に開て。此花の上に。亡者の禪門墨染の衣を着て座
J16_0399B32: せり。時に微風この花を吹に。風に隨てなびきた
J16_0399B33: る。禪門蓮花よりおりて語ていはく。われ極樂の下
J16_0399B34: 品下生に生ぜり。只今上品にすすむなりと云と見て。

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