浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0373A01: | しがたし。又やまひ大事にて心みだれば。往生し |
J16_0373A02: | がたしと申候らんは。さもいはれて候へども。善 |
J16_0373A03: | 導の御心にては。極樂へまいらんと心ざして。多 |
J16_0373A04: | くも少くも。念佛申さん人の。命つきん時は。阿 |
J16_0373A05: | 彌陀佛。聖衆と共に來て。迎へ給べしと候へば。日 |
J16_0373A06: | 比だにも御念佛候はば。御臨終に善知識候はずと |
J16_0373A07: | も。佛は迎へさせ給ふべきにて候。又善知識の力 |
J16_0373A08: | にて。往生すると申候事は。觀經の下三品の事に |
J16_0373A09: | て候。下品下生の人などこそ。日比念佛も申候は |
J16_0373A10: | ず。往生の心も候はぬ逆罪の人の。臨終にはじめ |
J16_0373A11: | て善知識にあひて。十念具足して。往生するにて |
J16_0373A12: | 候へ。日比より他力の願力をたのみ。思惟の名號 |
J16_0373A13: | を唱へて。極樂へ參らんと思ひ候はん人は。善知 |
J16_0373A14: | 識の力候はずとも。佛は來迎し給ふべきにて候。 |
J16_0373A15: | 又かろき病をせんと。祈候はん事も。心かしこく |
J16_0373A16: | は候へども。病もせでしぬる人も。うるはしく。 |
J16_0373A17: | をはる時には。斷末摩のくるしみとて。八萬の塵 |
J16_0373B18: | 勞門より。無量のやまひ身をせめ候事。百千のほ |
J16_0373B19: | こつるぎにて身をきりさくがごとし。されば眼な |
J16_0373B20: | きがごとくして。見んとおもふものをもみず。舌 |
J16_0373B21: | の根すくみて。いはんと思こともいはれず候なり。 |
J16_0373B22: | これは人間の。八苦のうちの死苦にて候へば。本 |
J16_0373B23: | 願信じて。往生ねがひ候はん行者も。この苦はの |
J16_0373B24: | がれずして。悶絶し候とも。息のたえん時は。阿 |
J16_0373B25: | 彌陀ほとけの力にて。正念になりて往生をし候へ |
J16_0373B26: | し。臨終はかみすぢきるが程の事にて候へば。よ |
J16_0373B27: | そにて凡夫さためがたく候。ただ佛と行者との心 |
J16_0373B28: | にてしるべく候なり。そのうへ三種の愛心をこり |
J16_0373B29: | 候ぬれば。魔縁たよりをえて。正念を失ひ候なり。 |
J16_0373B30: | 此愛心をば。善知識の力ばかりにては。のぞきが |
J16_0373B31: | たく候。阿彌陀ほとけの御力にて。のぞかせ給べ |
J16_0373B32: | く候。諸邪業繫無能碍者。たのもしく思食べく候。 |
J16_0373B33: | ●末摩ハ梵語ナリ此方ニハ支節ト云凡支節ノ有ト |
J16_0373B34: | コロ物ニ觸レハ即死スト倶舍論第十卷ニ見エタリ |