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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0373A01: しがたし。又やまひ大事にて心みだれば。往生し
J16_0373A02: がたしと申候らんは。さもいはれて候へども。善
J16_0373A03: 導の御心にては。極樂へまいらんと心ざして。多
J16_0373A04: くも少くも。念佛申さん人の。命つきん時は。阿
J16_0373A05: 彌陀佛。聖衆と共に來て。迎へ給べしと候へば。日
J16_0373A06: 比だにも御念佛候はば。御臨終に善知識候はずと
J16_0373A07: も。佛は迎へさせ給ふべきにて候。又善知識の力
J16_0373A08: にて。往生すると申候事は。觀經の下三品の事に
J16_0373A09: て候。下品下生の人などこそ。日比念佛も申候は
J16_0373A10: ず。往生の心も候はぬ逆罪の人の。臨終にはじめ
J16_0373A11: て善知識にあひて。十念具足して。往生するにて
J16_0373A12: 候へ。日比より他力の願力をたのみ。思惟の名號
J16_0373A13: を唱へて。極樂へ參らんと思ひ候はん人は。善知
J16_0373A14: 識の力候はずとも。佛は來迎し給ふべきにて候。
J16_0373A15: 又かろき病をせんと。祈候はん事も。心かしこく
J16_0373A16: は候へども。病もせでしぬる人も。うるはしく。
J16_0373A17: をはる時には。斷末摩のくるしみとて。八萬の塵
J16_0373B18: 勞門より。無量のやまひ身をせめ候事。百千のほ
J16_0373B19: こつるぎにて身をきりさくがごとし。されば眼な
J16_0373B20: きがごとくして。見んとおもふものをもみず。舌
J16_0373B21: の根すくみて。いはんと思こともいはれず候なり。
J16_0373B22: これは人間の。八苦のうちの死苦にて候へば。本
J16_0373B23: 願信じて。往生ねがひ候はん行者も。この苦はの
J16_0373B24: がれずして。悶絶し候とも。息のたえん時は。阿
J16_0373B25: 彌陀ほとけの力にて。正念になりて往生をし候へ
J16_0373B26: し。臨終はかみすぢきるが程の事にて候へば。よ
J16_0373B27: そにて凡夫さためがたく候。ただ佛と行者との心
J16_0373B28: にてしるべく候なり。そのうへ三種の愛心をこり
J16_0373B29: 候ぬれば。魔縁たよりをえて。正念を失ひ候なり。
J16_0373B30: 此愛心をば。善知識の力ばかりにては。のぞきが
J16_0373B31: たく候。阿彌陀ほとけの御力にて。のぞかせ給べ
J16_0373B32: く候。諸邪業繫無能碍者。たのもしく思食べく候。
J16_0373B33: ●末摩ハ梵語ナリ此方ニハ支節ト云凡支節ノ有ト
J16_0373B34: コロ物ニ觸レハ即死スト倶舍論第十卷ニ見エタリ

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