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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0363A01: 佛往生は。宿善のなきにもより候はぬやらん。父
J16_0363A02: 母をころし。佛身より血をあやしたる程の罪人も。
J16_0363A03: 臨終に十念申て往生すと。觀經にも見へて候。し
J16_0363A04: かるに宿善あつき善人は。をしへ候はねども。惡
J16_0363A05: にをそれ。佛道に心すすむ事にて候へば。五逆な
J16_0363A06: とは。いかにもいかにもつくるまじき事にて候なり。
J16_0363A07: それに五逆の罪人。念佛十念にて往生をとげ候と
J16_0363A08: きに。宿善のなきにもより候ましく候。されば經
J16_0363A09: に。若人造多罪。得聞六字名。火車自然去。華臺即
J16_0363A10: 來迎。極重惡人無他方便。唯稱彌陀。得生極樂。
J16_0363A11: 若有重業障。無生淨土因。乘彌陀願力。必生安樂
J16_0363A12: 國この文の心は。もし五逆をつくれりとも。彌陀
J16_0363A13: の六字の名をきかば。火の車自然にさりて。蓮臺
J16_0363A14: きたりてむかふべし。又きはめておもき罪人の。他
J16_0363A15: の方便なからんも彌陀をとなへたてまつらば。極
J16_0363A16: 樂にむまるべし。又もしおもきさはりありて。淨
J16_0363A17: 土にむまるべき因なくとも。彌陀の願力に乘なば。
J16_0363B18: 安樂國にむまるべしと候へば。たのもしく候。又
J16_0363B19: 善導の釋には。曠劫よりこのかた六道に輪廻して。
J16_0363B20: 出離の縁なからん。常沒の衆生をむかへんかため
J16_0363B21: に。阿彌陀佛は佛になり給りと候。その常沒の衆
J16_0363B22: 生と申候は。恒河のそこにしづみたるいき物の。
J16_0363B23: 身おほきにながくして。その河にはばかりてえは
J16_0363B24: たらかず。つねにしづみたるに。惡世の凡夫をは
J16_0363B25: たとへられて候。
J16_0363B26: ●人ノ所謂ル宿善往生トハ唯現在ノ修因ノ力ノミ
J16_0363B27: ニテハ往生シカタシ宿善ノ上ニ現在ノ修因ヲ加ヘ
J16_0363B28: テ往生ヲ遂ク其現在ノ心行ヲ具スルコトモ亦宿善
J16_0363B29: ノ力ニ依ルト思ヘルナルヘシ如此意得タル人今
J16_0363B30: 時モ間有ナレハ當時モ亦爾アリシナラン次下ニ念
J16_0363B31: 佛往生ハ宿善ノナキニモヨリ候ハヌヤラントノ
J16_0363B32: タマフニ自ラ其意見エ侍ル往生ホドノ大事必宿善
J16_0363B33: ニ依ヘシト聖敎ニモ候ヤラントハ聖敎ハ船舟三昧
J16_0363B34: 平等覺大集第七無量壽下卷等ノ經説ナリ蓋此等ノ經説

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