浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0363A01: | 佛往生は。宿善のなきにもより候はぬやらん。父 |
J16_0363A02: | 母をころし。佛身より血をあやしたる程の罪人も。 |
J16_0363A03: | 臨終に十念申て往生すと。觀經にも見へて候。し |
J16_0363A04: | かるに宿善あつき善人は。をしへ候はねども。惡 |
J16_0363A05: | にをそれ。佛道に心すすむ事にて候へば。五逆な |
J16_0363A06: | とは。いかにもいかにもつくるまじき事にて候なり。 |
J16_0363A07: | それに五逆の罪人。念佛十念にて往生をとげ候と |
J16_0363A08: | きに。宿善のなきにもより候ましく候。されば經 |
J16_0363A09: | に。若人造多罪。得聞六字名。火車自然去。華臺即 |
J16_0363A10: | 來迎。極重惡人無他方便。唯稱彌陀。得生極樂。 |
J16_0363A11: | 若有重業障。無生淨土因。乘彌陀願力。必生安樂 |
J16_0363A12: | 國この文の心は。もし五逆をつくれりとも。彌陀 |
J16_0363A13: | の六字の名をきかば。火の車自然にさりて。蓮臺 |
J16_0363A14: | きたりてむかふべし。又きはめておもき罪人の。他 |
J16_0363A15: | の方便なからんも彌陀をとなへたてまつらば。極 |
J16_0363A16: | 樂にむまるべし。又もしおもきさはりありて。淨 |
J16_0363A17: | 土にむまるべき因なくとも。彌陀の願力に乘なば。 |
J16_0363B18: | 安樂國にむまるべしと候へば。たのもしく候。又 |
J16_0363B19: | 善導の釋には。曠劫よりこのかた六道に輪廻して。 |
J16_0363B20: | 出離の縁なからん。常沒の衆生をむかへんかため |
J16_0363B21: | に。阿彌陀佛は佛になり給りと候。その常沒の衆 |
J16_0363B22: | 生と申候は。恒河のそこにしづみたるいき物の。 |
J16_0363B23: | 身おほきにながくして。その河にはばかりてえは |
J16_0363B24: | たらかず。つねにしづみたるに。惡世の凡夫をは |
J16_0363B25: | たとへられて候。 |
J16_0363B26: | ●人ノ所謂ル宿善往生トハ唯現在ノ修因ノ力ノミ |
J16_0363B27: | ニテハ往生シカタシ宿善ノ上ニ現在ノ修因ヲ加ヘ |
J16_0363B28: | テ往生ヲ遂ク其現在ノ心行ヲ具スルコトモ亦宿善 |
J16_0363B29: | ノ力ニ依ルト思ヘルナルヘシ如此意得タル人今 |
J16_0363B30: | 時モ間有ナレハ當時モ亦爾アリシナラン次下ニ念 |
J16_0363B31: | 佛往生ハ宿善ノナキニモヨリ候ハヌヤラントノ |
J16_0363B32: | タマフニ自ラ其意見エ侍ル往生ホドノ大事必宿善 |
J16_0363B33: | ニ依ヘシト聖敎ニモ候ヤラントハ聖敎ハ船舟三昧 |
J16_0363B34: | 平等覺大集第七無量壽下卷等ノ經説ナリ蓋此等ノ經説 |