浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0354A01: | さらに餘の功德をつくりあつめて。廻向せよと申に |
J16_0354A02: | は候はず。ただすぎぬるかたにつくりおきたらん功 |
J16_0354A03: | 德をも。もし又これよりのちなりとも。をのづから |
J16_0354A04: | たよりにしたがひて。念佛のほかに餘の善を修する |
J16_0354A05: | 事あらんをも。しかしながら往生の業に廻向すべし |
J16_0354A06: | と申事にて候なり。この心金剛のごとくにして。別 |
J16_0354A07: | 解別行の人にやぶられざれと申候は。さきに申つる |
J16_0354A08: | 樣に。異解の人にをしへられて。かれこれに廻向す |
J16_0354A09: | る事なかれと申候也。金剛はやぶれぬものにて候な |
J16_0354A10: | れば。たとへにとりて。この心のやぶれざらん事 |
J16_0354A11: | も。金剛のごとくなれと申候。これを廻向發願心と |
J16_0354A12: | は申候なり。 |
J16_0354A13: | ●コトナル事ハ異事ナリ●アラヌ餘ノカタヘハヨ |
J16_0354A14: | シナキ餘ノ事餘方ノ極樂ナラヌ方ヘナリ●是往生 |
J16_0354A15: | ノ爲ニハ念佛ニテ疑ヒナキソト思ヒ取テ其上ニヲ |
J16_0354A16: | ノツカラタヨリニシタカヒテ餘善アルヲモ皆往生 |
J16_0354A17: | ノ業ニ回向スヘシトナリシカシナカラハ併ノ字皆 |
J16_0354B18: | 也●金剛ハ金中ノ精牢名義集ナルモノニテイカニモ |
J16_0354B19: | 摧ケヌモノナリ |
J16_0354B20: | 三心のありさま。おろおろ申ひらき候ぬ。この三心 |
J16_0354B21: | を具してかならず往生するなり。もし一心もかけぬ |
J16_0354B22: | れは。往生することをえすと。善導釋し給たれば。 |
J16_0354B23: | 往生をねがはん人は。尤この三心を具足すべきな |
J16_0354B24: | り。乃至これを安心とはなつけて候なり。次に起行と |
J16_0354B25: | いふは。この申ひらき候心ばへにて。一向に念佛を |
J16_0354B26: | 申させおはしますべきにて候。又こと行にて候と |
J16_0354B27: | も。極樂にかたどりて候はん行を。かれこれに心を |
J16_0354B28: | かけすして。つとめ行ずべきにて候なり。おほよそ |
J16_0354B29: | 極樂にむまれ候べき行には。阿彌陀佛の本願にも。 |
J16_0354B30: | 釋迦佛の説敎にも。善導の解釋にも。諸師の料簡に |
J16_0354B31: | も。念佛をもて本體とする事にて候なり。そのほか |
J16_0354B32: | の行は。とりわきたれたれもすすめ給事候はず。さ |
J16_0354B33: | は候へとも。いづれもいづれも聖敎をならひ。何事 |
J16_0354B34: | にもおもひあてがひていのり申に。みなことこと |