ウィンドウを閉じる

J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0344A01: 諸苦痛。身心快樂如入禪定。聖衆現前。乘佛本
J16_0344A02: 願上品往生阿彌陀佛國と。ねんころに發願せよ
J16_0344A03: との給へり。いよいよ臨終の正念をはいのりもし。
J16_0344A04: ねかふべき事なり。臨終の正念をいのるは。彌陀の
J16_0344A05: 本願をたのまぬものぞなど申人は。善導にはいかほ
J16_0344A06: どまさりたる學生ぞと思へし。あなあさまし。をそ
J16_0344A07: ろしをそろし。また念佛は常にをこたらぬが。一定
J16_0344A08: 往生する事にてあるなり。善導すすめての給はく。
J16_0344A09: 一發心已後。誓畢此生。無有退轉。唯以淨土
J16_0344A10: 爲期。又云。一心專念彌陀名號。行住座臥。不
J16_0344A11: 問時節久近。念念不捨者。是名正定之業。順彼
J16_0344A12: 佛願故といへり。かやうにすすめましましたる
J16_0344A13: 事は。あまたおほけれとも。ことことくにかきのせ
J16_0344A14: かたし。賴へし仰へし。ふかく信ずへし更に疑事な
J16_0344A15: かれ。又まことしく念佛を行じて。げにげにしき念
J16_0344A16: 佛者になりぬれは。よろづの人を見るに。みなわが
J16_0344A17: こころにはおとりて。あさましくわろければ。わが
J16_0344B18: 身のよきままに。我はゆゆしき念佛者にてあるもの
J16_0344B19: かな。誰誰にも勝たりと思なり。この心をばよく
J16_0344B20: よくつつしむべき事なり。世もひろく。人もおほけ
J16_0344B21: れば。山のおく林のなかにこもり居て。人にもしら
J16_0344B22: れぬ念佛者の。貴く目出たきさすかにおほくある
J16_0344B23: を。わがきかずしらぬにてこそあれ。されはわれ程
J16_0344B24: の念佛者よもあらしとおもふ僻事なり。この思は大
J16_0344B25: 憍慢にてあれは。即三心もかくるなり。またそれ
J16_0344B26: をたよりとして。魔縁のきたりて往生を妨ぐるな
J16_0344B27: り。これ我身のいみじくて罪業をも滅し。極樂へも
J16_0344B28: まいる事ならばこそあらめ。ひとへに阿彌陀佛の願
J16_0344B29: 力にて。煩惱をものぞき罪業をもけして。かたじけ
J16_0344B30: なく手づからみづから。極樂へむかへとりて歸らせ
J16_0344B31: まします事なり。我ちからにて往生する事ならばこ
J16_0344B32: そ。われかしこしといふ慢心をばおこさめ。憍慢の
J16_0344B33: 心だにもおこりぬれば。心行かならずあやまる故
J16_0344B34: に。たちところに阿彌陀ほとけの願にそむきぬるも

ウィンドウを閉じる