浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0334A01: | 經等ノ説臨終業成ハ分明ナリ平生業成ハイマタ定 |
J16_0334A02: | カナラスサレト要集ニ臨終ノ念相ヲ明スニモ平生 |
J16_0334A03: | ニ涉ルト見エタリ |
J16_0334A04: | 又云。他力本願に乘ずるに二あり。乘ぜざるに二あ |
J16_0334A05: | り。乘ぜざるに二といふは。一には罪をつくるとき |
J16_0334A06: | 乘せず。其故は。かくのことく罪をつくれは。念佛 |
J16_0334A07: | 申とも往生不定なりとおもふ時に乘ぜず。二には道 |
J16_0334A08: | 心のおこる時乘ぜず。其故は。おなしく念佛申とも。 |
J16_0334A09: | かくのごとく道心ありて申さんずる念佛にてこそ往 |
J16_0334A10: | 生はせんずれ。無道心にては念佛す共かなふへから |
J16_0334A11: | ずと。道心をさきとして。本願をつぎにおもふ時乘 |
J16_0334A12: | ぜざるなり。次に本願に乘ずるに二の樣といふは。 |
J16_0334A13: | 一には罪つくる時乘するなり。其故は。かくのこと |
J16_0334A14: | く罪をつくれは。决定して地獄に落べし。しかるに |
J16_0334A15: | 本願の名號を唱れは。决定往生せん事のうれしさよ |
J16_0334A16: | とよろこぶ時に乘ずるなり。二には道心おこる時乘 |
J16_0334A17: | するなり。其故は。此道心にて往生すへからす。こ |
J16_0334B18: | れ程の道心は。無始よりこのかたおこれとも。いま |
J16_0334B19: | た生死をはなれず。故に道心の有無を論せず。造罪 |
J16_0334B20: | の輕重をいはす。たた本願の稱名を念念相續せんち |
J16_0334B21: | からによりてぞ。往生は遂へきとおもふ時に。他力 |
J16_0334B22: | 本願に乘ずるなり。 |
J16_0334B23: | 又云。せこにこめたる鹿も。友に目をかけずして。 |
J16_0334B24: | 人影にかへらず。むかひたる方へ。おもひきりてま |
J16_0334B25: | ひらににぐれば。いくへ人あれども。かならずにげ |
J16_0334B26: | らるるなり。その定に他力をふかく信じて。萬事を |
J16_0334B27: | しらず。往生をとけんとおもふべきなり。 |
J16_0334B28: | ●セコハ鹿追人夫ナリコメタルトハセコノ中ニト |
J16_0334B29: | リコメタルヲ云萬葉廿六ニ射固立渡朝獦爾西都賦ニ |
J16_0334B30: | 列卒周帀子虚賦ニ列卒滿澤東鑑富士ノ牧獦ノ處 |
J16_0334B31: | ニ勢子幾許人●ソノ定ニトハソノヤウニト云昔時 |
J16_0334B32: | ノ俗語ト聞エタリ明慧傳ナトニ此詞往往ナリ |
J16_0334B33: | 又云。稱名の時に心におもふべき樣は。人の膝など |
J16_0334B34: | をひきはたらかして。や。たすけ給へと云定なるべ |