浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0282A01: | ルト又勝尾寺ノ一切經供養ニハ上人ノ召ヲ蒙リテ |
J16_0282A02: | 唱導ツトメラル聽衆ミナ感涙シケルトナン第三十 |
J16_0282A03: | 六卷ニ見エタリ |
J16_0282A04: | ●治承養和ハ高倉院年號ナリ |
J16_0282A05: | さればかの法印一卷の書を製作して。ひろく念佛を |
J16_0282A06: | すすむ。世間に流布して唯信鈔と號するこれなり。 |
J16_0282A07: | かの書に云。罪ふかくはいよいよ極樂をねがふべ |
J16_0282A08: | し。不簡破戒罪根深といへり。善すくなくはますま |
J16_0282A09: | す彌陀を念ずへし。三念五念佛來迎といへり。むな |
J16_0282A10: | しく身を卑下し心を怯弱にして。佛智不思議智を疑 |
J16_0282A11: | 事なかれ。たとへば人たかき岸のしたにありて。の |
J16_0282A12: | ぼる事あたはざらんに。ちからつよき人岸の上に有 |
J16_0282A13: | て。綱をおろして。この綱にとりつかせて。われ岸 |
J16_0282A14: | の上に引登せんといはんに。ひく人のちからをうた |
J16_0282A15: | がひ。綱のよはからん事をあやぶみて。手をおさめ |
J16_0282A16: | てこれをとらすば。更に岸の上にのぼるべからす。 |
J16_0282A17: | 偏にその言にしたがひて。掌をのべてこれをとらん |
J16_0282B18: | には。即のぼる事をうべし。佛力をうたがひ。願力 |
J16_0282B19: | をたのまざる人は。菩提の岸にのぼる事かたし。只 |
J16_0282B20: | 信心の手をのべて。誓願の綱をとるへし。電光朝露 |
J16_0282B21: | の命。芭蕉泡沫の身。わづかに一世の勤修をもて。 |
J16_0282B22: | 忽に五趣の古郷をはなれんとす。豈ゆるく諸行を兼 |
J16_0282B23: | んや。諸佛菩薩の結縁は。隨心供佛の朝を期すべし。 |
J16_0282B24: | 大小經典の義理は。百法明門の暮を待へし。已上略抄と |
J16_0282B25: | ぞ侍める。この法印ふかく上人の勸化を信敬のあひ |
J16_0282B26: | だ。處處にして説法のたびごとには。彌陀の本願を |
J16_0282B27: | 讃歎し。念佛の功能をほめ申されけるを。上人きき |
J16_0282B28: | 給て。これひとへに善導の御方便。機感純熟の折節 |
J16_0282B29: | 也。然へき名僧專修念佛の義を信じて。所所にして |
J16_0282B30: | 講釋せば。念佛の弘通何事かこれにしかんやと。悅 |
J16_0282B31: | 仰られて。法印のもとへ申つかはされけるは。法華 |
J16_0282B32: | 經の中には定まりて。阿彌陀經を副供養せらるる |
J16_0282B33: | なれば。いかなる所にても。機嫌さまであしからざ |
J16_0282B34: | らん所にては。阿彌陀經につきて。四十八願の樣を |