浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0236A01: | ●相模房ヲ使者ニ遺ハレシハ文治二年ノ春ナリ壽 |
J16_0236A02: | 永二年ヨリ凡四箇年ヲ經タリ大原問答ノ縁起ニハ |
J16_0236A03: | 永辨法印御使トアリ●坂本ハ大原ノホトリ叡山ノ |
J16_0236A04: | 西ノフモトヲ西坂本ト云今赤山明神ノ砌ナトヲ俗 |
J16_0236A05: | 呼テ西坂本ト云東ノフモト山王ノ社ノホトリヲミ |
J16_0236A06: | ナ東坂本ト云民屋兩處ニアリ山ニ近キヲ上坂本湖 |
J16_0236A07: | ニ隣ルヲ下坂本ト云ヘリ●成佛ハカタク往生ハ得 |
J16_0236A08: | ヤスシトハ玄義分云正報難期依報易求投化 |
J16_0236A09: | 即易爲主即難 |
J16_0236A10: | 其後たがひに言説なくして。上人かへり給て後。法 |
J16_0236A11: | 印の給けるは。法然房は智惠深遠なれども。聊偏執 |
J16_0236A12: | の失ありと。上人この事をかへりきき給て。我知ざ |
J16_0236A13: | る事にはかならず疑心をおこす事なり。との給ける |
J16_0236A14: | を。法印又かへりきき給て。まことに然也。われ顯 |
J16_0236A15: | 密の敎文に稽古をつとむといへども。しかしながら |
J16_0236A16: | 名利の爲にして。淨土を心ざさざるゆへに。道綽善 |
J16_0236A17: | 導の釋義をうかがはず。法然房にあらずは。たれか |
J16_0236B18: | かくのごとくのことばをいだすべきやとて。このこ |
J16_0236B19: | とばにはぢて。百日の間大原に籠居して。淨土の章 |
J16_0236B20: | 疏を披閲したまひてのち。すでに淨土の法門をこそ |
J16_0236B21: | 見立侍にたれ。來臨して談ぜしめ給へと仰られたり |
J16_0236B22: | ければ。文治二年秋のころ。上人大原へ渡り給ふ。 |
J16_0236B23: | 東大寺の大勸進俊乘房重源。いまだ出離の道をおも |
J16_0236B24: | ひ定めざりけるを哀み給て。この由を告仰られたり |
J16_0236B25: | ければ。弟子三十餘人を相具して大原にむかふ。勝 |
J16_0236B26: | 林院の丈六堂に會合す。上人の方には。重源以下の |
J16_0236B27: | 弟子どもそのかずあつまれり。法印の方には。門徒 |
J16_0236B28: | 以下の碩學。ならびに大原の聖達坐しつらなれり。 |
J16_0236B29: | 山門の衆徒をはじめて。見聞の人おほかりけり。論 |
J16_0236B30: | 談往復する事一日一夜なり。上人法相。三論・華嚴・ |
J16_0236B31: | 法華・眞言。佛心等の諸宗にわたりて。凡夫の初心 |
J16_0236B32: | より佛果の極位にいたるまで。修行の方軌。得度の |
J16_0236B33: | 相貌つぶさにのべ給て。是等の法みな義理ふかく利 |
J16_0236B34: | 益すぐれたり。機法相應せば。得脱くびすを廻らす |