浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0156A01: | 筆書未考又御自筆今イツクニカアル未尋 |
J16_0156A02: | 或時上人月輪殿にして。山僧と參會の事侍しに。彼 |
J16_0156A03: | 僧淨土宗を立給なるは。いづれの文によりて。立給 |
J16_0156A04: | そやとたづぬるとき。善導の觀經の疏の附屬の文な |
J16_0156A05: | りと答給に。重ていはく。宗義をたつる程のことに。 |
J16_0156A06: | なんそただ一文によるべきやと。上人微笑して。物 |
J16_0156A07: | もの給はざりけり。かの僧山に歸てのち。寳地房法 |
J16_0156A08: | 印證眞にこのよしを語て。法然房すへて返答にをよ |
J16_0156A09: | はすと申けるを。法印申されけるは。法然房の物い |
J16_0156A10: | はれざるは。不足言に處するゆへなり。かの上人は、 |
J16_0156A11: | 天台宗の達者たるうへ。あまさへ諸宗にわたりて、 |
J16_0156A12: | あまねくこれを習學して。智慧深遠なる事。つねの |
J16_0156A13: | 人にこえたり。返答かなはずして。物いはすとおも |
J16_0156A14: | ふ僻見。さらにおこすべからずとそ申されける。か |
J16_0156A15: | の法印は。つねに上人に親近して。法門を談ぜしゆ |
J16_0156A16: | へに。智慧の分際を知て。申されけるにこそ。こと |
J16_0156A17: | に戒の法門は。上人に相承の人なり。かの法印竪義 |
J16_0156B18: | の時は。惠光房永辨法印を師とせられけるに。元品 |
J16_0156B19: | の無明は。妙覺知斷。三惑は。同時斷の義を立へき |
J16_0156B20: | よし。さづけ給けるに。證眞は。一代聖敎を見に。 |
J16_0156B21: | 三惑は異時斷。元品の能治は等覺智也。此旨を立へ |
J16_0156B22: | きよし申されければ。その心なるへしと。永辨法印 |
J16_0156B23: | ゆるされけるゆへに。等覺智斷の義を立す。澄憲法 |
J16_0156B24: | 印題者にてしらべ給けるに。竪者五千餘卷の經敎を |
J16_0156B25: | 開きたるに。いまだ妙覺智斷の文を見ずと立する |
J16_0156B26: | に。見聞の大衆同音に。博覽を感ずる聲甚し。その |
J16_0156B27: | 時澄憲法印。竪者すてに智劒をふるふ。題者あにさ |
J16_0156B28: | び刀をぬかざらんや。といふ名句を申されけり。 |
J16_0156B29: | ●寳地房ハ東塔ノ東谷ナリ今號華王院惠心檀那ノ兩流ヲ兼學ス●澄眞ハ駿河守説定之子也惠心〓受巳講隆慧檀那流傳慧光房永辨密敎傳大慈房聖昭●永辨ハ攝州人也姓族未詳律師澄豪四上足隨一也檀那衆流以澄豪龜鏡トス永辨亦中古ノ明匠ニシテ其義ヲ慧光房流ト稱ス●澄憲ハ少納言入道信西第七子母高階重仲女也從丹後已講珍仁受法住東塔北谷竹林院又洛陽住房ヲ安居院ト號ス |