浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0149A01: | かくのごとく各をの所解不同なるを。をさへて宗宗 |
J16_0149A02: | を十住心にあてて。淺深をさだめらるる條。そのい |
J16_0149A03: | ひなきことなり。諸宗のならひ。ただ經ばかりをこ |
J16_0149A04: | そ。淺深をも勝劣をも立たることにてあれ。いはん |
J16_0149A05: | や善無畏の義釋は。すてに經ばかりに約せり。又義釋 |
J16_0149A06: | には。華嚴般若種種不思議の境界を攝すといへる |
J16_0149A07: | を。十住心論には唯華嚴にかぎりあやまりて。其宗 |
J16_0149A08: | まてを攝して。般若をば覺心不生心に攝すること。 |
J16_0149A09: | 又もちて違せり。 |
J16_0149A10: | ●法華ノ十勝ハ法華玄義三一云攝大乘明十勝相 |
J16_0149A11: | 義咸謂深妙使地論翻宗今試以十妙比之 |
J16_0149A12: | 彼有所漏云云攝大乘論ハ第一卷也近クハ法華玄賛 |
J16_0149A13: | ニ見エタリ天台ノ玄義ニハ十妙ヲ立テ廣ク勝相ヲ |
J16_0149A14: | 判シ爾前ノ淺劣ヲ顯ハシテ法華ノ深義ヲ廣説セリ |
J16_0149A15: | ●諸大乘經顯道無異トハ佛ノ説給ヘル大乘ノ諸經 |
J16_0149A16: | 何レモ佛道ノ深義ヲ顯スニ至テハ替リメナシトソ |
J16_0149A17: | 大乘玄論四云諸大乘經通爲顯道道既無二敎豈 |
J16_0149B18: | 異哉中論疏同之 |
J16_0149B19: | かくの如きの義をもちて。ひそかに難勢をくはへた |
J16_0149B20: | てまつるほどに。いまは二十餘年にもやなりぬらん。 |
J16_0149B21: | 源平の亂よりさき。嵯峨に住したりしころ夢に見る |
J16_0149B22: | やう。請用して他行したりける。そのあとに弘法大 |
J16_0149B23: | 師より。きとまいらせたまへとて御使の候けると云 |
J16_0149B24: | をききて。心におもふ樣。内内難し申ことの。きこ |
J16_0149B25: | えなるよなとおもへども。さあらんにつけてもと存 |
J16_0149B26: | じて。すなはち大師の所へ參ず。五間ばかりなる家 |
J16_0149B27: | の。板敷もなくへだてもなくて。ただ内に。よはう |
J16_0149B28: | にぬりめくらしたる壁の。くちもなきのみあり。大 |
J16_0149B29: | 師はこのうちに。おはしますとおほゆ。まつ外に |
J16_0149B30: | て。こはづくろひをしたれば。その壁のうちより。 |
J16_0149B31: | こなたへと仰せらるる聲あり。その御聲につきて。 |
J16_0149B32: | 入て壁のうちを見れば。さらにその戸なし。かへの |
J16_0149B33: | くつれたるところのみあり。其くづれよりくぐりい |
J16_0149B34: | れば。大師壁のきはにおはしまして。すなはち胸を |