浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0308A01: | 爲に殘し玉へること。上にて辨ぜし通。爾れば。御遺 |
J09_0308A02: | 誓に隨て申者悉く往生せば。大師も極樂に歸座在す |
J09_0308A03: | べし。若又唯申た計で。往生せぬと云はば。大師は |
J09_0308A04: | 恐れあること乍ら墮獄し玉ふべし。されば。大師の |
J09_0308A05: | 御臨終の次第が。我等が生不の鏡と云ものなれば。 |
J09_0308A06: | 御往生の段を讀で。我人の往生の。大丈夫なることを |
J09_0308A07: | 信決せしめん。 |
J09_0308A08: | 建曆二年正月二日より。大師日頃の不食の御所勞。 |
J09_0308A09: | 增氣し玉へり。すべて此三四年より此かたは。御耳も |
J09_0308A10: | うとく御目に物を見玉ふも。分明ならざりしに。御 |
J09_0308A11: | 往生の期近きて。二根明利なること。昔に違ひ玉はず。 |
J09_0308A12: | 見奉る人。不思議の思ひをなせり。 |
J09_0308A13: | 二日已後は。更に餘言を交へず。偏に往生のことを談 |
J09_0308A14: | じ。高聲の御念佛絶へず。御睡眠の時にも。舌口常 |
J09_0308A15: | に動き玉ふ。十一日の辰の時五時に大師おき居て。高 |
J09_0308A16: | 聲念佛し玉ふ。聞人皆涙を流す。御弟子方に告ての玉 |
J09_0308A17: | はく。高聲に念佛すべし。彌陀如來の來り玉へるなり |
J09_0308B18: | 此名號を唱れば。一人として往生せずと云ことなし |
J09_0308B19: | と念佛の功德をほめ玉ふこと。平生の如し。又觀音勢 |
J09_0308B20: | 至諸の大菩薩現じ在す。各拜み奉るやと。御弟子方 |
J09_0308B21: | 拜み奉らずと申せば。彌彌念佛すべしとすすめ玉ふ。 |
J09_0308B22: | 同日十一日巳の時四時に。御弟子方。三尺の彌陀の像を迎 |
J09_0308B23: | へ奉て。御病床の右にすえ奉りて。此佛拜み在すや |
J09_0308B24: | と申されければ。大師指にて空をさして。此佛の外 |
J09_0308B25: | に又佛在す拜むや否と仰られて。さて語り玉ふは。 |
J09_0308B26: | 凡そ此十餘年より已來。念佛功積りて。極樂の莊嚴。 |
J09_0308B27: | 及び佛菩薩の眞身を。拜み奉ること常のことなり。爾 |
J09_0308B28: | れども年頃は秘して云はず。今最後にのぞめり。故 |
J09_0308B29: | につつまず語るとの玉ふ。 |
J09_0308B30: | 大師御發得の後も。秘して語り玉はざること。又御臨 |
J09_0308B31: | 末に語り給ふこと。佛説及び導師の誡文に。依順し玉 |
J09_0308B32: | ふなり。好相感見の義ありても。包まず語れば。聞 |
J09_0308B33: | く人は毀謗をなし。又魔事竸ひ發る等とは。楞嚴經 |
J09_0308B34: | 般若經等の説なり。又臨終のときに語るは。他の信 |