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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0308A01: 爲に殘し玉へること。上にて辨ぜし通。爾れば。御遺
J09_0308A02: 誓に隨て申者悉く往生せば。大師も極樂に歸座在す
J09_0308A03: べし。若又唯申た計で。往生せぬと云はば。大師は
J09_0308A04: 恐れあること乍ら墮獄し玉ふべし。されば。大師の
J09_0308A05: 御臨終の次第が。我等が生不の鏡と云ものなれば。
J09_0308A06: 御往生の段を讀で。我人の往生の。大丈夫なることを
J09_0308A07: 信決せしめん。
J09_0308A08: 建曆二年正月二日より。大師日頃の不食の御所勞。
J09_0308A09: 增氣し玉へり。すべて此三四年より此かたは。御耳も
J09_0308A10: うとく御目に物を見玉ふも。分明ならざりしに。御
J09_0308A11: 往生の期近きて。二根明利なること。昔に違ひ玉はず。
J09_0308A12: 見奉る人。不思議の思ひをなせり。
J09_0308A13: 二日已後は。更に餘言を交へず。偏に往生のことを談
J09_0308A14: じ。高聲の御念佛絶へず。御睡眠の時にも。舌口常
J09_0308A15: に動き玉ふ。十一日の辰の時五時に大師おき居て。高
J09_0308A16: 聲念佛し玉ふ。聞人皆涙を流す。御弟子方に告ての玉
J09_0308A17: はく。高聲に念佛すべし。彌陀如來の來り玉へるなり
J09_0308B18: 此名號を唱れば。一人として往生せずと云ことなし
J09_0308B19: と念佛の功德をほめ玉ふこと。平生の如し。又觀音勢
J09_0308B20: 至諸の大菩薩現じ在す。各拜み奉るやと。御弟子方
J09_0308B21: 拜み奉らずと申せば。彌彌念佛すべしとすすめ玉ふ。
J09_0308B22: 同日十一日巳の時四時に。御弟子方。三尺の彌陀の像を迎
J09_0308B23: へ奉て。御病床の右にすえ奉りて。此佛拜み在すや
J09_0308B24: と申されければ。大師指にて空をさして。此佛の外
J09_0308B25: に又佛在す拜むや否と仰られて。さて語り玉ふは。
J09_0308B26: 凡そ此十餘年より已來。念佛功積りて。極樂の莊嚴。
J09_0308B27: 及び佛菩薩の眞身を。拜み奉ること常のことなり。爾
J09_0308B28: れども年頃は秘して云はず。今最後にのぞめり。故
J09_0308B29: につつまず語るとの玉ふ。
J09_0308B30: 大師御發得の後も。秘して語り玉はざること。又御臨
J09_0308B31: 末に語り給ふこと。佛説及び導師の誡文に。依順し玉
J09_0308B32: ふなり。好相感見の義ありても。包まず語れば。聞
J09_0308B33: く人は毀謗をなし。又魔事竸ひ發る等とは。楞嚴經
J09_0308B34: 般若經等の説なり。又臨終のときに語るは。他の信

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