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J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0296A01: べし。爾るに。在家出家智者愚者の簡びなく。其身
J09_0296A02: 其儘。濃くも薄くも往生の爲に。多くも少くも南無
J09_0296A03: 阿彌陀佛と。唱へさへすれば。大師徹底の御隨自意た
J09_0296A04: る。此御遺誓を信决したる人なれば。此世にありて
J09_0296A05: は。人中の芬陀利華。上上妙好最勝人の嘉名を蒙り。
J09_0296A06: 來迎の如來には。善男善女とほめ立られ。喜勇んで
J09_0296A07: 大往生遂ることなれば。必至と信して。此大利益を。受
J09_0296A08: はづさぬやうにすべきなり。已上大段六科の。第四
J09_0296A09: 手印の科を畢。
J09_0296A10: 淨土宗の安心起行。此一紙に至極せり。源空が所
J09_0296A11: 存。此外に全く別義を存せず。滅後の邪義を防か
J09_0296A12: んが爲に。所存を記し畢。
J09_0296A13: 大科六段の。第五總結の科なり。
J09_0296A14: 淨土宗の安心起行等とは。聖道諸宗の。安心起行に
J09_0296A15: ゑらび玉ふなり。聖道の意は。安心即起行となること
J09_0296A16: もある故。差別して得名することはなけれども。され
J09_0296A17: ども。此差別は必あるなり。其所以は。我に佛性あ
J09_0296B18: りて。佛に異なることなしと云所を。訖度信知する所
J09_0296B19: は安心。其信知せし佛性をあらはすに。華嚴なれば
J09_0296B20: 法界唯心の觀。天台は三諦即是の觀。眞言は阿字本
J09_0296B21: 不生の觀等を修するは是起行なり。されども。是三
J09_0296B22: 學均等ならざれば。其修行の機にあたらざる。難行
J09_0296B23: 道なれば。其安心もきつとすわるは。觀法成就の時
J09_0296B24: でなければ立ず。而に此觀成豈容易ならんや。故に
J09_0296B25: 中下の機は觀成の望を斷ば。或は持呪或は讀誦。或
J09_0296B26: は自餘の諸善をつとめて。近くは生生に修行を成じ。
J09_0296B27: 遠くは龍華の會上に至て。面り佛の指麾を得て。成
J09_0296B28: 就せんと期する。是等の自力門の。安心起行ではな
J09_0296B29: ひ。淨土宗の安心起行ぞとの玉ふ意なり。先此聖道の
J09_0296B30: 安心は立難く。起行は行じ難し。其所以は。末法に
J09_0296B31: 至りては。盡大地の衆生。皆十惡と定まりたる者を。
J09_0296B32: 三覺圓滿の佛と等同にして。差別なしと信しやすか
J09_0296B33: らんや。昏沈掉擧の心を以。息慮凝心の觀念を成就
J09_0296B34: することを得んや。思ふてしるべし。さて又淨土門の

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