浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0288A01: | 少も違はず。其報を得たり。 |
J09_0288A02: | 惡は造作のみにして。業道を成ず。善事はしから |
J09_0288A03: | ず。願心堅固ならざれば。業を成ぜず。此差別ある |
J09_0288A04: | ことは。上昇難下沈易の謂ひなり。 |
J09_0288A05: | 爾るに今。大師御臨末にも。末代の我等が。除疑生 |
J09_0288A06: | 信して。往生を遂げ易き爲に。口稱念佛の外に。奧 |
J09_0288A07: | 深きことを存ぜば。二尊の憐にはづれ。本願にもれ候 |
J09_0288A08: | べし。と立て玉へる。御誓言こそ。實に心詞もなき。 |
J09_0288A09: | 大慈悲なることを可知。大師既に。我等が爲に誓言に |
J09_0288A10: | 及び玉ふ。我等も又信受し奉り。誓言をなすべし。 |
J09_0288A11: | 其誓言とは。日課を受持するなり。日課勸進辨。廣略時宜に隨ふべ―。已 |
J09_0288A12: | 上立誓の科を畢。 |
J09_0288A13: | 念佛を信ぜん人は。たとひ一代の法をよくよく學 |
J09_0288A14: | すとも。一文不知の愚鈍の身になして。尼入道の |
J09_0288A15: | 無智の輩に同して。智者のふるまひをせずして。 |
J09_0288A16: | 本文に五科ある。第五結勸の科にて。此下に亦二科 |
J09_0288A17: | あり。一示正所被機の科なり。文の大意は。念佛 |
J09_0288B18: | 申して。往生遂んと思ふ人ならは。あるものでもな |
J09_0288B19: | けれども。たとひ釋尊一代説き給ふ所の法を。よく |
J09_0288B20: | 學び課せたる人なりとも。一文字もしらぬ。愚鈍な |
J09_0288B21: | る者と。同じやうになりて。假りにも。智者らしひ振 |
J09_0288B22: | 舞すべからずとなり。かかるを還愚とて。宗門の正 |
J09_0288B23: | 機とするなり。さて此還愚癡と云中に。二機あり。 |
J09_0288B24: | 一には性得の頑愚を云。元祖大師の御法語に。聖道門 |
J09_0288B25: | の意は。智慧を窮めて生死を離れ。淨土門の意は。 |
J09_0288B26: | 愚癡に還りて。極樂に生と云を。了譽上人柔鈔に釋 |
J09_0288B27: | して。還字強不可存意許伹淨土修行愚癡往生云 |
J09_0288B28: | 也。とある是なり。二には捨解還愚の機。今の文に。 |
J09_0288B29: | 一文不知の愚鈍の身になして等。と仰られたる是な |
J09_0288B30: | り。此還愚癡の。二機に分るは。所對に從ふて差別 |
J09_0288B31: | するなり。還字に意許を存ぜず。頑愚とするは。聖 |
J09_0288B32: | 道門に對する故なり。夫れ聖道自力の修行。悟道成 |
J09_0288B33: | 佛の法は。般若の智慧を離れては。萬善萬行。皆有 |
J09_0288B34: | 爲の行となる故に。智慧を先きとするなり。然るに |