浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J09_0274A01: | 爲と云ことなり。 |
| J09_0274A02: | 南無阿彌陀佛と申て。上の唯往生等とは。安心。こ |
| J09_0274A03: | の南無阿彌陀佛と申てとは。起行を示し玉ふなり。 |
| J09_0274A04: | 此上にも。唯と云字を付て見る。往生極樂の爲には。 |
| J09_0274A05: | 唯南無阿彌陀佛と申てと云意なり。是に餘行を簡ぶ |
| J09_0274A06: | 意と。上の謬解に對するとの。二意あり。往生極樂 |
| J09_0274A07: | の行に於て。外の行一つも修し交ゆるは。還て障り。 |
| J09_0274A08: | 唯南無阿彌陀佛と申て。是餘行を簡ぶ意なり。又觀 |
| J09_0274A09: | 念の學文のと。餘の事はいらぬ。唯南無阿彌陀佛と |
| J09_0274A10: | て。是上の觀念義解に簡ぶ意なり。獨立口稱の專修 |
| J09_0274A11: | 一行。貴きの窮りなり。 |
| J09_0274A12: | 疑なく往生するぞと思とりて。是亦安心を示し玉ふ |
| J09_0274A13: | なり。是にも又唯の字を添て見るがよし。念佛の安 |
| J09_0274A14: | 心は。唯疑なく往生がなると思ひ取計で。餘に六か |
| J09_0274A15: | しい意得は無ひなり。此思ひ取と云が。安心決定の |
| J09_0274A16: | 義なり。されば一所の御法語に。人の手より物を得 |
| J09_0274A17: | たると。未得ざるとは其違ひあるなり。我はすでに |
| J09_0274B18: | 得たる心地にて申ぞと。仰られたり。されは念佛の |
| J09_0274B19: | 行者は。南無阿彌陀佛と。唱ふる聲につきて。往生 |
| J09_0274B20: | は我手の中に入れたる如く。决定の思ひをなすべし。 |
| J09_0274B21: | 心地の二字にて往生すみたりと云。一念義の邪立を。知るべし云云 |
| J09_0274B22: | 申外には別の子細候はず。是は行相を示すとて。念 |
| J09_0274B23: | 佛の申樣を示し玉ふなり。是にも亦唯の字を添て。 |
| J09_0274B24: | 念佛はどのやうに申すがよいぞ。唯申すより外には。 |
| J09_0274B25: | 別の子細なひが申方なり。別の子細とは。信の淺深。 |
| J09_0274B26: | 妄念の起不起等に滯るを云なり。故に一所の御法語 |
| J09_0274B27: | に。疑はざる心になりおふせぬるとは。唱る外に別 |
| J09_0274B28: | の子細なし。子細なき所に子細をつくる時。往生の |
| J09_0274B29: | 道には迷ふなり。已上爾れば。此申外に別の子細なし |
| J09_0274B30: | と。决著するに過たる肝要はなきなり。斯く心得る |
| J09_0274B31: | が。本願の所詮なり。安心起行の正意。順次往生の |
| J09_0274B32: | 故實なり。 |
| J09_0274B33: | 夫大師鶴林に望んで。唯往生極樂の爲には。南無阿 |
| J09_0274B34: | 彌陀佛と申て等。と遺訓し玉ふ。本願念佛の深旨を |