浄土教の特性を海に喩えた表現。すみやかに(頓教)すべてのものがひとしく(一乗)仏果に至ることができるため、海のように広く深い教えであるということ。善導が「我れ、菩薩蔵、頓教一乗海に依って、偈を説いて、三宝に帰して、仏心と相応せん」(『観経疏』玄義分、聖典二・一六〇/浄全二・一上)と述べる説示に拠る。また法然は、浄土教は頓教の中の頓教であるとして「頓中之頓」(『無量寿経釈』昭法全六八)と述べている。
【参照項目】➡頓漸二教
【執筆者:大屋正順】