開山
提供: 新纂浄土宗大辞典
かいさん/開山
寺院を創建すること。また開創した僧をいう。古くは山野を開き堂宇を設けたことによるもので、寺号の上に山号を付すのもこれに由来する。寺基を開くことから開基ともいうが、寺院創建の中心的檀越を開基と称することもある。元禄九年(一六九六)調べ『浄土宗寺院由緒書』には全国寺院の開山や由緒来歴が見られるが、開山の語のほか開基として僧名や開創年次が記されており、開山・開基の混用がある。開山の忌日法会を開山忌と称し、開山像や位牌を安置する開山堂を備える寺院もある。知恩院御忌の諷誦には、法然を開山大師と称している。
【参考】『浄土宗寺院由緒書』(『増上寺史料集』五~七、増上寺、一九七九~一九八〇)、『蓮門精舎旧詞』(続浄一八~一九)、竹田聴洲『民俗仏教と祖先信仰』(東京大学出版会、一九七一)
【執筆者:鈴木霊俊】