長老
提供: 新纂浄土宗大辞典
ちょうろう/長老
修行僧の尊称。徳が高く出家年数の長い僧。上座、上首、耆宿ともいう。ⓈāyuṣmatⓈsthaviraⓅtheraの漢訳。『十誦律』三九に「若し恭敬して上座を喚ばざれば突吉羅なり。その時、諸の比丘は云何に上座を喚ぶべきかを知らず。是の事を仏に白す。仏言はく、今より下座の比丘は上座を喚んで長老と言へと。その時、ただ長老と喚ぶは便ならずと。仏言はく、今より長老某甲と喚べ、長老舎利弗、長老目犍連、長老阿難、長老難提、長老金毗羅と喚ぶが如し」(正蔵二三・二八六中)と、『阿弥陀経通賛疏』上に「一には年高く臘長きが故なり。二には学広く解深きが故なり」(浄全五・五八六上)とある。現代のサンスクリット会話では若い人をもⓈāyuṣmatと呼ぶ。結婚式の新郎をいう場合もあり、これは「生命力にあふれる者」「長寿の得られる者」ほどの意である。
【参照項目】➡耆宿
【執筆者:西村実則】