鏡の御影
提供: 新纂浄土宗大辞典
かがみのみえい/鏡の御影
金戒光明寺、知恩寺蔵の法然の御影。代表的な法然の御影の一つ。『四十八巻伝』八によれば、法然の弟子勝法房が師の真影を描き賛文を願ったところ、法然は鏡二面を左右に、水鏡を前に置いて自らの姿を写し、胡粉をもって修正加筆したところから「鏡の御影」の名がある(聖典六・九〇/法伝全三七)。御影は上畳に座し左を向き両手で念珠をくる姿で、額が少し出張っており、頭頂部にわずかなくぼみが見られる。なお上部に色紙形があり、後日勝法房に書き与えた「勢至円通の文」を貼ったものといわれている。
【資料】『四十八巻伝』八、『黒谷誌要』 【図版】巻末付録
【参照項目】➡法然上人御影
【執筆者:成田俊治】