しゃかさんぞんぞう／釈迦三尊像

釈迦像の形式の一つで絵画・彫刻等の分野を問わず、釈迦と両脇侍を一括して呼称するもの。日本では左に文殊菩薩、右に普賢菩薩を脇侍とすることが一般的であるが、一定しておらず、古くは不詳の場合が多い。梵天・帝釈天を脇侍とする例も知られる。最古の作例は二世紀のマトゥラーに遡り、脇侍は払子ほっすを持った人物像である。ガンダーラでは観音菩薩や弥勒菩薩を脇侍とする例が見える。日本では脇侍が伴う古い例として法隆寺金堂釈迦三尊像（国宝）が著名である。平安時代以降は文殊が獅子に、普賢が象に、それぞれ騎乗して脇侍となる作例が現れる。【図版】巻末付録