諸上善人詠
提供: 新纂浄土宗大辞典
しょじょうぜんにんえい/諸上善人詠
一巻。明・道衍撰。洪武一四年(一三八一)の序がある。歴代の往生人を讃歎する詩に略伝を付したもの。若くして天台学を学び、臨済宗の禅僧であった道衍は、靖難の変の功労者として永楽帝に重用され、還俗し姚広孝として世俗の官職につき、儒仏調和を謳ったことで有名だが、浄土教にも深く帰依していた。本書には念仏三昧を修して往生を遂げた印度・中国の僧俗を讃詠する詩が一二二首収録されており、それらは題名の由来である『阿弥陀経』所説の「諸上善人俱会一処」(聖典一・二〇二/浄全一・五三)を勧め、念仏往生の心を喚起させるものである。
【所収】続浄一六、続蔵七八
【参考】沖本克己編『中国文化としての仏教』(『新アジア仏教史八 中国Ⅲ 宋元明清』佼正出版社、二〇一〇)
【執筆者:石上壽應】