種種念仏往生の機
提供: 新纂浄土宗大辞典
しゅじゅねんぶつおうじょうのき/種種念仏往生の機
伝法然撰『往生記』に示されることばで、極楽に往生可能な機根のこと。『往生記』に難遂往生機、四障四機に続いて説かれる。第一智行兼備念仏往生の機に三種、第二義解念仏往生の機に三種、第三持戒念仏往生の機に二種、第四破戒念仏往生の機に二種、第五愚鈍念仏往生の機に一六種、大別して五種、細別して二六種の機が往生可能であると記される。中でも第五愚鈍念仏往生の機一六種の最初に「善知識の教えを聞いて、一向に信を生じ、威儀法則を弁えず、行住坐臥を論ぜずして、日夜に念仏して、すなわち久しくその功を積で往生する人」(聖典五・二一六/昭法全一〇〇七~八)とあり、これを愚鈍念仏第一の機といい、浄土宗の正機として重視する。
【資料】『往生記』、『往生記投機抄』
【執筆者:日下部謙旨】