操作

祖先崇拝の宗教学的研究

提供: 新纂浄土宗大辞典

そせんすうはいのしゅうきょうがくてきけんきゅう/祖先崇拝の宗教学的研究

諸戸素純著。昭和四七年(一九七二)八月、山喜房仏書林刊。諸戸素純の遺稿集。浄土宗開宗八〇〇年記念として出版。本書は四編から成る。第一編は東北大学に提出した博士学位論文で『礼記』を中心とした諸文献の理解に立って、宗教学的視点から考察した、祖先崇拝の宗教学的研究。第二編は主として東北大・大阪市大在職中に発表した論文。第三編は小論文。第四編は知恩院浄土宗学研究所研究員として、また一浄土宗侶として宗祖法然教義を現代的に解明した、法然上人の現代的理解である。本書の注目すべき点は、特に第四編において法然研究をいわゆる宗教学の地平に置いて考察する先鞭をつけたことである。巻頭に広島大学池田末利教授の「序」、本文のあとに著者略歴、そして遺稿出版代表藤堂恭俊の「あとがき—諸戸先生のご霊前に報告を—」と索引ならびに第一編の英文概要を収めている。


【執筆者:藤本淨彦】