白毫
提供: 新纂浄土宗大辞典
びゃくごう/白毫
仏の眉間のやや上に生えているとされる白く長く柔らかい毛。右巻きに丸まっており、伸ばすと、仏身が一丈六尺の仏で一丈五尺あるとされる。仏の三十二相の一つで三十二番目。白毫相、眉間白毫相ともいう。この白毫からは、光明が放たれているとされ、この光明を観ずることで無量億劫の生死の罪が滅せられると説かれる。源信は『往生要集』大文第四正修念仏の第四観察門で、①別相観②惣相観③雑略観の三つを観相せよとしている。その中の①別相観では、仏の四十二相を観相することを勧めており、この七番目として、白毫相をあげている。さらには、この別相観や惣相観に堪えることのできないものは、雑略観として、白毫相のみを観相せよとしている。また、『観経』や『観仏三昧海経』などには、白毫相には他の相好を内包している功徳があるとの説示から、白毫相を観相することが略観として勧められている。
【執筆者:和田典善】