無尽
提供: 新纂浄土宗大辞典
むじん/無尽
一
尽きることがないこと。滅びることがないこと。Ⓢakṣayaなどの訳語。『小品般若経』九では般若波羅蜜が無尽といわれ、また『無量寿経』では「如来無尽の大悲をもって、三界を矜哀す」(聖典一・二一八/浄全一・三)と説かれ、如来の大悲が無尽とされている。また『北本涅槃経』五には無尽が仏性であるといわれ、さらに笈多共行矩等訳『摂大乗論釈』には「無尽は、すなわちこれ涅槃」(正蔵三一・三〇六下)と説かれる。このように大乗仏教では、無尽を涅槃ととらえる場合がある。また無尽は華厳教学において特に重視される語で、法蔵『探玄記』などは、無尽の概念を軸に、『華厳経』の理解を試みている。
【資料】『六十華厳』菩薩十無尽蔵品
【参照項目】➡重重無尽
【執筆者:大屋正順】
二
⇨無尽講(むじんこう)