二巻。聖冏撰。良暁『浄土述聞鈔』の注釈書。延文四年(一三五九)七月に定慧が良暁の口伝を筆録し、康安元年(一三六一)に聖冏が書写し、勘文と私釈を加え、弟子の聖聡に付与したのが本書成立の経緯という。上巻に第一業成論、第二乃至十念論、下巻には第三極楽樹下三尊等報化の項目以下八題の注釈を施す。名越派との相違など、良忠門下における白旗派の正伝の立場が主張されている。
【所収】浄全一一
【参照項目】➡浄土述聞鈔
【執筆者:東海林良昌】