ざんねんしょうじょうかい/暫念小乗戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうち第三四戒のこと。菩薩戒を護持して日々これを読誦し、少しもゆるがせにしないようにすることが勧められ、たとえ一瞬でも二乗外道に心を向けてしまうことがあれば軽垢罪に当たるとしてこれを制する。この戒では常に大乗の善信を生じさせ、自身は未成の仏であり諸仏は已成の仏であるという自覚のもと菩提心を発し、一瞬たりとも大乗から心が離れないようにすべきであるとする。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【参照項目】➡四十八軽戒、軽垢罪
【執筆者:袖山榮輝】