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新編古今往生浄土宝珠集

提供: 新纂浄土宗大辞典

しんぺんここんおうじょうじょうどほうしゅしゅう/新編古今往生浄土宝珠集

八巻。『古今往生浄土宝珠集』『浄土宝珠集』『宝珠集』とも呼ばれる。宋・陸師寿撰。東晋の廬山慧遠ろざんえおんをはじめとして、計五四名(正伝三八名、付見一六名)の往生人の伝記が収録されている。『仏祖統紀』四七(正蔵四九・二七三上)には、戒珠が『浄土往生伝』三巻を作り、これに王古が新たな情報を増補して四巻とし、紹興二五年(一一五五)に陸師寿が八巻として本書を編んだと伝えられる。現存するのは第一巻のみで、大正年間(一九一二—一九二六)に大村西崖が徳富蘇峰の成実堂文庫から、乾道五年(一一六九)の奥書がある写本を発見し、その後、『続浄』に収められた。『続浄』本には大村による本書の成立経緯と考証を述べた序文が付されており、それによれば大村は本書の撰述者を王古としている。古くは『長西録』に王古とする説もあるが、現在は陸師寿とする説に落着している。


【所収】続浄一六


【参考】小笠原宣秀『中国浄土教家の研究』(平楽寺書店、一九五一)


【執筆者:遠田憲弘】