斎戒
提供: 新纂浄土宗大辞典
さいかい/斎戒
神仏に関係のある物事や神聖な仕事などをする際に、飲食その他の行為を慎み、心身を清浄にすること。潔斎や物忌みともいう。仏教では、「八支近住斎戒」を略して「八斎戒」ともいう。在家信者の守るべき基本的な五戒(①生物を殺さない②盗みをしない③邪な性交をしない④噓をつかない⑤酒を飲まない)に衣食住の贅沢に関する三つの戒(⑥身を飾らず、歌舞を楽しまない⑦高くゆったりとした床で寝ない⑧昼以後は食事をしない)を加えて、八つの戒めとしている。月に六回ある六斎日(陰暦の八日・一四日・一五日・二三日・二九日・三〇日)に守ることとされ、出家生活に一歩近づくという意義を持つ。
【資料】『俱舎論』一四、『十善法語』二(高貴寺、一九二四)
【執筆者:田中正流】