操作

八斎戒

提供: 新纂浄土宗大辞典

はっさいかい/八斎戒

特定の日に在家信者が守るべき八つの戒。Ⓢaṣtāṅga-upavāsaⓅaṭṭhaṅgika-uposathaなどの訳語。八戒斎や斎戒八支ともいわれ、優波婆娑うばばしゃ戒などと音写される。また斎戒は近住律儀ともいわれる。その八つとは①生き物を殺さない、②物を盗まない、③性的交わりをしない、④噓をつかない、⑤酒を飲まない、⑥香水やアクセサリーをつけない、演劇などを見ない、⑦高く心地よい床で横にならない、⑧正午を過ぎてから物を食べない、のこと。八斎戒を守る日は、毎月の八・一四・一五・二三・二九・三〇日の六日で、これを六斎日ろくさいにちといい、在家信者はこの六日、一昼夜にわたり守らなければならない。この八斎戒たも衆生は『無量寿経』や『観経』によれば、中輩中品上生・中生に相当するとされる。また八斎戒は長養ともいわれ、善根少ない衆生もこれを守ることで長養され善根が増すといわれる。こうした八斎戒功徳については『無量寿経』にも「正心正意にして、斎戒清浄なること、一日一夜すれば、無量寿国に在って、善を為すこと百歳するに勝れたり」(聖典一・二七七/浄全一・三二)とあり、大きな功徳があると説かれている。


【参照項目】➡斎日布薩


【執筆者:石田一裕】