きょうごう/憬興
生没年不明。神文王元年(六八一)に新羅の国師に任命されるため、七世紀頃の人と考えられる。けいごうとも読み、璟興とも書く。百済出身であるが新羅で活動した学僧。唯識・法相学を中心に、経・律・論のあらゆる分野にわたって注釈書を著した。四〇部以上もの著書があったとされるが、その大半が散逸し現存しない。著書『無量寿経連義述文賛』は、浄影寺慧遠・吉蔵・元暁の注釈と並ぶ『無量寿経』の四大注釈とされ、親鸞の『教行信証』にもしばしば引用される。
【参考】韓普光『新羅浄土思想の研究』(東方出版、一九九一)
【執筆者:山中行雄】