一巻。珍海著。久安二年(一一四六)撰。平安末期に盛んであった弥陀信仰と弥勒信仰の優劣について、珍海の見解を示した書。源信『往生要集』の影響を強く受けているが、懐感『群疑論』、迦才かざい『浄土論』に説く内容を整理し、弥陀・弥勒信仰に一二の優劣を説く。結論として、いずれの信仰によっても他方を非難したり諍論すべきではないとしている。
【所収】正蔵八四
【執筆者:坂上雅翁】