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夢の記

提供: 新纂浄土宗大辞典

ゆめのき/夢の記

古代より、貴族・僧侶等によって記された夢の内容を集めたもの。歴史書・往生伝・物語・日記等に、夢想・夢告・神仏との感応あるいは怨霊とのつながりなどとして記録された。法然帰依した蓮生れんせいぼう(熊谷直実)もまた、元久元年(一二〇四)五月一三日、上品上生往生を立願した夜に、蓮華の上に端座する夢をみたこと、同三年一〇月一日の夢に、一人の僧と往生について論じたことなどを伝えている。同時代の僧、明恵親鸞・慶政等も、夢の内容を書き残した。


【資料】『熊谷直実誓願状』(『日本名跡叢刊』五七、二玄社、一九八二)、清凉寺文書「蓮生房誓願状」・同「蓮生房夢記」(『新編埼玉県史』資料編五)、『四十八巻伝』二七(聖典六・四〇九~二四/法伝全一六七~七五)


【参考】カラム・ハリール『日本中世における夢概念の系譜と継承』(雄山閣出版、一九九〇)、河東仁『日本の夢信仰—宗教学から見た日本精神史—』(玉川大学出版部、二〇〇二)


【執筆者:米澤実江子】