ぜんどうしゅう/善導宗
善導の説に依拠する教団の意で、浄土宗の異称。法然は、『選択集』一六において、偏依善導一師説を打ち出し、自らの教理の依拠するところを善導一師の説に見出したが、その理由の一つとして、仏教の祖師の中で、善導のみが浄土の教えを中心にすえているからであるという意で「宗」の語を用いている。これが転じて、善導の説を教理の中心にすえた教団の意で、「善導宗」という語が浄土宗の異称として用いられたと考えられる。
【資料】『選択集』、『授手印』、『徹選択集』下
【参照項目】➡偏依善導
【執筆者:東海林良昌】