哀愍
提供: 新纂浄土宗大辞典
あいみん/哀愍
哀れみの心を抱くこと。慈しむこと。哀れみを意味するⓈanu-kampakaやⓈkaruṇāの漢訳。慈悲、大悲と同じ意味。『無量寿経』の「当来の世、経道滅尽せんに、我れ慈悲をもって哀愍して、特りこの経を留めて、止住すること百歳ならん」(聖典一・二八五/浄全一・三六)や善導『往生礼讃』の「哀愍して我れを覆護し」(浄全四・三五九上/正蔵四七・四四〇中)のように、阿弥陀仏が衆生に対して表す慈しみの心を意味する。さらに、多くの場合「哀愍護念」(哀愍して心にかけて護ること)、「哀愍納受」(哀愍して受け入れること)のように「仏が衆生を哀愍して~する」のかたちで使われる。
【執筆者:兼岩和広】