南無阿弥陀三耶三仏檀
提供: 新纂浄土宗大辞典
なむあみださんやさんぶつだん/南無阿弥陀三耶三仏檀
『無量寿経』の異訳の一つ『阿弥陀三耶三仏薩楼仏檀過度人道経』(『大阿弥陀経』)に説かれる言葉で、阿弥陀仏に帰依する意。いわゆる五悪段の後、釈尊が阿難らに、慈悲心から阿弥陀仏やその国土の菩薩阿羅漢を見せしめようと告げ、阿難がそれを喜ぶと、釈尊は阿難に、西に向かって拝して、日の没するところを目掛けて阿弥陀仏のために礼し、頭を地に着け「南無阿弥陀三耶三仏檀」と言うように勧め、阿難がその通りに実践すると阿弥陀仏が大光明を放ったと説かれる(浄全一・一三八下/正蔵一二・三一六中~下)。なお、同じ『無量寿経』群の一つ『平等覚経』の対応箇所には、「南無無量清浄平等覚」さらには「南無無量清浄三藐三仏陀」(いずれも浄全一・一〇〇/正蔵一二・二九八下)と称える場面が示されるが、『無量寿経』対応箇所(聖典一・二七八/浄全一・三三)においては、そうした場面は見当たらない。
【参照項目】➡阿弥陀三耶三仏薩楼仏檀過度人道経
【執筆者:袖山榮輝】