三巻三冊。内題は『吉水実録』。珂然撰。元禄一〇年(一六九七)刊。珂然は『吉水実録』一五巻を撰して法然以下、門下の伝記を集録したが、その中から法然伝のみ抽出したもの。和語の法然伝が多いなか、司馬遷の『史記』にならい、『十六門記』と『四十八巻伝』を中心に漢文で編まれた。円光大師号が勅諡された年の刊行で、法然を「上人」と記したり「大師」と称したりしている。また、真偽未詳の部分は別に掲げる姿勢もみせている。
【参照項目】➡吉水実録
【執筆者:野村恒道】