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六根・六境・六識

提供: 新纂浄土宗大辞典

ろっこん・ろっきょう・ろくしき/六根・六境・六識

六根とは六つの認識器官(能力)のことで、眼根・耳根・鼻根・舌根・身根・意根の六つの根を指す。六境とは六塵ともいい、六つの認識対象のことで、色境・声境・香境・味境・触境・法境の六つの境を指す。六識とは六つの認識のことで、眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識の六つの識を指す。また六根と六境を合わせて十二処、さらに六識を加えて十八界といわれる。仏教ではさまざまな法(Ⓢdharma)を説くが、すべてはこれら一八に集約することができる。それはつまり、我々の経験しうる世界が、これら一八の要素から成立していることを意味する。また釈尊が、これら一八の要素を用いて、たびたび無我無常を説き示したことからみても、釈尊在世当時からこれらが用いられたことが推察される。さらに部派仏教の時代に至っても、これら一八の要素は重視された。特に説一切有部では十二処十八界五蘊を加え、それを考察することで、独特の存在論認識論を形成したことが知られている。


【参照項目】➡十八界


【執筆者:石田一裕】