六根と六境をあわせた一二の法のこと。十二入ともいわれる。処はⓈāyatanaの訳語であり、『俱舎論』に「心・心所法の生長門の義、是れ処の義なり」(正蔵二九・五上)といわれるように、心と心の働き(心所)を生じさせるものの意。すなわち認識器官(能力)である眼げん・耳に・鼻び・舌ぜつ・身しん・意いの六根と、その対象である色しき・声しょう・香こう・味み・触そく・法ほうの六境が接触することで心とその働きが生ずるので、これら一二の法は十二処といわれる。
【参照項目】➡六根・六境・六識
【執筆者:石田一裕】