伝戒師
提供: 新纂浄土宗大辞典
でんかいし/伝戒師
授戒作法の儀式を司る師。伝教師ともいう。『授菩薩戒儀』(新本)には「伝授師」とある。円頓菩薩戒では、授戒の師と伝戒の師とを区分している。戒師は現前と不現前の二種があり、戒法は不現前の釈尊より授かり、現前の伝戒師(伝教師)は釈尊の取り次ぎをして受者に戒法を伝える。現前の戒師は能伝であって、能授ではないので、伝教師・伝戒師という。『授菩薩戒儀(湛然本)』の第三請師は、初めに現前の伝教の師を請じ、次に不現前の聖師を請じて授戒の師としている(聖典五・五〇九)。『授菩薩戒儀(新本)』は伝教師といい(聖典五・四九〇)、「黒谷古本」では伝戒師という(聖典五・四七七)。
【資料】『伝法規程』(第三条)
【執筆者:西城宗隆】