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七難消滅の法

提供: 新纂浄土宗大辞典

しちなんしょうめつのほう/七難消滅の法

七つの災難を除滅する法。法然九条殿下の北政所へ進ずる御返事』で一向専修を勧めるにつき、その根拠の一つとして「また伝教大師の『七難消滅の法』にも、念仏を勤むべしと見えてそうろう」(聖典四・三七一/昭法全五三四)として挙げる。これは最澄の『七難消滅護国頌』(『伝教大師全集』四・三一五〜八所収)を指すようである。ただし、義山素中和語灯録日講私記』三では、「七難消滅の法とは註の如し。此の事しかと知らざる義なり。但し最勝講のとき、一段一段の間に念仏の入ること有り。若し其れ等を云ふこと歟。山門の衆中に尋ぬれども台家に七難消滅の法に直だに念仏申すと云ふこととくとは知らざる也と。案ずるに元祖の時分には有りしを後には絶へて彼宗にも伝はらざるにや」(浄全九・七六六下)と述べて、何を指すのか不明とする。


【参考】那須英勝「『七難消滅の誦文』考」(印仏研究五九—一、二〇一〇)


【参照項目】➡七難


【執筆者:齊藤舜健】